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特殊な保冷剤、低温5日間 全日空、生鮮食品輸出でITEと提携

SankeiBiz 9月22日(木)8時15分配信

 全日本空輸は21日、温度管理システムを手掛けるベンチャー企業アイ・ティー・イー(ITE、東京都千代田区)と共同で、野菜や肉などを新鮮な状態で海外へ運ぶ新たなサービスに乗り出すと発表した。低温状態を最長5日間保てる特殊な保冷剤を使うことで、これまで設備やコストから難しかった欧米にも輸出しやすくなる。

 全日空が提供する国際貨物輸送の新商品として、ITEが開発した特殊保冷剤「アイスバッテリー」をコンテナ(1280リットル)や運搬用ボックス(64リットル、16リットル)に搭載。内部の温度を100時間以上にわたり、2~8度、マイナス20~マイナス15度、マイナス25~マイナス20度の設定温度で輸送できる。28日に日本を出発する便からサービスを提供する。

 政府は農林水産物や食品の輸出額を2020年までの5年間で約3割増の1兆円に引き上げる目標を掲げており、生鮮品の空輸拡大が見込まれている。ただ、長距離の低温輸送が可能な充電式コンテナは、空港に充電設備が必要でコストもかかる。このため生鮮品の空輸で主流となっているのは、現在はドライアイスを使う方法だ。だが、コストは安価でも途中で溶けて野菜が傷むことがあるなど品質管理が難しく、空輸の範囲はアジア圏に限られていた。

 これに対し、アイスバッテリーは指定した温度を定温で長時間維持できるほか、ドライアイスと違って取り扱い上の危険もなく、二酸化炭素(CO2)も排出しない。今回のサービス提供により国際航空貨物における安定した定温での輸送が実現。これまで温度管理が難しいなどの理由で輸送をあきらめていた生鮮食品や医薬品、半導体の素材などの輸送にも対応できる。

 国際航空貨物の市場は中国経済の減速などを背景に運賃が低迷し、全日空も貨物専用機の事業が赤字に陥っている。今後は厳しい温度管理が求められる商品の輸送にも対応し、採算改善を目指す。

最終更新:9月22日(木)8時15分

SankeiBiz