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北部訓練場伐採 「国やりたい放題」 市民反発、県にも苦言

琉球新報 9月21日(水)10時23分配信

 【ヘリパッド取材班】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリパッド建設で、大規模な木の伐採を含め急速に工事が進んでいる状況が明らかになり、建設に抗議する市民らからは20日、「国はやりたい放題だ」「県は国に対して甘すぎる」と反発の声が上がった。


 沖縄平和運動センターの山城博治議長は「国は自分たちで国立公園にしておいて山を壊している。見えない、立ち入れないと思ってやりたい放題だ」と憤った。県に対しては「国には何も言わないのか。不条理がまかり通っている」と防衛局に対する指導を求めた。

 「基地の県内移設に反対する県民会議」のメンバーで、土建業に30年以上携わってきた奥間政則さんは「業者からすれば、防止柵の設置など赤土対策はとても面倒だ。まともにやっていたらこんなに早く工事を進められるはずがない」と指摘した。

 平和市民連絡会の北上田毅さんは「県は現地調査を早急に行う必要があり、調査が終わるまでは工事の中断を求めるべきだ」と強調した。

 山田秀子さん(61)=名護市=は、建設予定地周辺にダムが複数あることを指摘した上で「水の安全は何よりも守らなくてはいけない。県は真っ先に反応するべきだ」と話した。


<解説>自然への配慮不明瞭

 米軍北部訓練場のヘリパッド建設現場の空撮写真で、工事を急ぐ政府の姿勢が改めて浮き彫りになった。N1地区周辺からH地区につながる運搬道路では、大規模な伐採が行われ、16日と17日の写真を比較すると1日で急速に工事が進んでいる。

 沖縄防衛局は、大幅な工法変更があるとして7月20日、県環境部に「環境影響評価検討図書」を提出した。図書には工事用モノレールの設置も記されていたが、9月中旬に突然、モノレールではなくトラックが通れる運搬道路に変更することを県に伝えた。

 そもそもモノレールは大規模の伐採を伴わない工法として採用されたはずだった。モノレールの設置に当たっては、希少種の移植など自然に配慮する対策が示されていた。だが運搬道路への変更でより大規模な木の伐採が行われるにもかかわらず、自然への配慮がどう進められるのかは不明瞭だ。

 当初「自然環境の保全に最大限配慮する」との観点から四つのヘリパッドの工事を順次進める計画だったが、工事を前倒しする方針で3地区の工事が並行して行われることになった。

 工期短縮を目指すばかりに、当初掲げていた「自然への配慮」はないがしろだ。県は工事中断を求めた上で早急に現地調査を行い、不適切な点や、必要な手続きが取られていないことが認められれば沖縄防衛局に改善を求めるべきだ。
(宮城久緒)

琉球新報社

最終更新:9月21日(水)10時44分

琉球新報