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「ココイチ」一人勝ちの理由 カレー店の代名詞、世界1400店に拡大

ZUU online 9月21日(水)9時10分配信

日本人の国民食と言えば、ラーメンとカレーだが、ラーメンに関しては、全国チェーンはあれども一大チェーンは、これだという店がなかなか思いつかないが、カレー業界を独走するのが、カレーハウスCOCO壱番屋(本社・愛知県一宮市、浜島俊哉社長、767人、資本金15億327万円)、通称「ココイチ」だ。

国内1282店・海外162店の合計1444店舗(2016年5月)までに拡大している背景は何だろうか。

■ライバル不在の一人勝ち状態

牛丼チェーンは価格の上げ下げといった価格政策を繰り返しているが、カレーチェーンでは「カレーハウスCoco壱番屋」(ココイチ)はライバル不在の一人勝ち状態だ。ココイチの店舗数は5月末で1282店(国内)に達しているのだ。

他のチェーンを見ると、2番手の「ゴーゴーカレー」と「福島上等カレー」が目に付くが、それぞれが約50店舗程度にすぎない。そこで何と言ってもココイチの強さの秘訣に挙げられるのは、商品政策なのだが、だからといってココイチの料金は決して安くない。

ほとんどの客はトッピングを注文するそうだが、トッピングの人気上位は1位「チーズ」、2位「ロースカツ」、3位「やさい」(2015年)だそうだが、ココイチには期間限定のカレーメニューを含めると45種類あり、トッピングの種類は期間限定を入れて43種類(除いては39種類2016年2月末現在)。

■ルーはハウス食品から調達

カレーチェーン経営に欠かせなのがルーの安定した調達力だがココイチの強さを支えているのはハウス食品との関係である。ハウス食品では壱番屋の株式を約19.55%所有、持株比率で第2位の大株主で、壱番屋を持分法適用関連会社としている(15年5月)のだ。

さらに「イチバンヤ USA Inc.」「壱番屋香港有限会社」は持分法適用関連会社であるし、海外現地法人はハウス食品との合弁が多く、「台湾カレーハウスレストラン株式会社」・「上海ハウスカレーココ壱番屋レストラン有限会社」・「韓国カレーハウス株式会社」はハウス食品の連結子会社となっている。

ココイチの成功を見ると、今後、国内の食品メーカーによる飲食チェーン店の経営進出や、既存の飲食店への食品の提供は新しいビジネスの可能性を秘めているし、飲食店を通じた新しい販路は食品メーカーにとっても宣伝にもなり良いはずだ。

一般の客はココイチの株主がハウス食品であることは知らないし関係無いことだが、この関係をアピールすればハウス食品の宣伝にもなり相乗効果にもなる。次のハウス食品的ビジネスのヒントとなることは間違いない。

■社員へののれん分け制度

毎年店舗数増加を支えているのが、「ブルームシステム」と呼ばれる、のれん分け制度だ。フランチャイズ(FC)方式で運営されてはいるのだが、FCオーナーを一般から募集するのではなく、すべて社員からの独立させるシステムになっているのだ。

「独立候補社員」として入社し2~5年勤務する間にさまざまな立地の店舗を経験し、FCオーナーを目指すやり方を取っていることからコンビニのような一般からオーナーを募集するFCチェーンとはシステムが全く違うのである。

FCオーナーと言えば、どこでも3週間程度の事前研修を経て店舗をオープンにこぎつけると言ったのが一般的だが、ココイチでは事前研修に2~5年をかけている事になるし、開業資金の融資は本社が債務保証をしてくれるという何よりの安心もある。

独立の基準に達すれば、あとは本部に残ってスーパーバイザーをやるか、金が無くてもオーナーとして独立してやっていく道も選べるわけで、壱番屋の保証のもと銀行から融資を受けられるこの仕組みの影響は大きいものがあり頑張れば誰でも独立できるのである。

■FC店と本部との強い結束で信頼関係と現場力を生む

前述したように壱番屋はブルームシステムが更に強い信頼関係を築いているので、各店舗のオーナーが組織する「壱番屋加盟店共済会」で話し合われた要望が本部へ伝えられ、それ、本部が出来るかどうかを検討しコミュニケーションがとれているのだ。

それにより要望がすべて通るわけではないが個別の店舗で自由にやっても構いというものもあり、企画書を出して本部で内容を精査しオッケーであれば独自のサービスやメニューを提供してもいいというルールなのである。

1981年からブルームシステムをスタートしているが、各オーナーからの要望が強くなってくると全国均一展開を進めていくには限界があるので、それぞれの店がFCチェーンとしても生き残っていくのには現場の個店力は自然の流れとなっているのだ。

■今ではココイチの定番がカレーの定番

これだけのファンを持ち全国展開するココイチの定番カレーとしては、手仕込とんかつカレーやヒレカツカレーなどは定番と言えるし、チキンと夏野菜のカレーも人気がある。期間限定で出すカレーも毎年ヒットする勢いなのである。

そのため定番メニューにして欲しいとの客からのリクエストもあるようだが、ココイチの嬉しい悲鳴として実は食材の手配が思うようにできないのが悩みで、チキンなどは3か月の期間限定分の食材を1年間かけて集めているといった状態だそうだ。

消費者の立場からすれば複数のカレーチェーンで拮抗する方が良いが良いのだが、しかし、こうして見るとココイチに追随するのは一朝一夕には難しそうだし、対抗できるチェーンは当分現れそうになさそうだ。

最終更新:9月21日(水)14時51分

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