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<基準地価>仙台と他地域 東北二極化進む

河北新報 9月21日(水)12時25分配信

 【解説】国土交通省が20日発表した基準地価は、東日本大震災の復興需要が落ち着きつつある中、仙台市とほかの地域の二極化が進む現状を示した。

【表】商業地の基準地価変動率上位5地点

 地価上昇が際立つ仙台市は住宅地、商業地とも宮城県の上昇率を約4ポイント上回る。三大都市圏に比べ値頃感と利回りの良さがあり、不動産投資ファンドの取引が活発化した。札幌、福岡両市なども似た状況で、地方圏で中枢都市への一極集中が進む傾向が見て取れる。

 沿岸被災地は移転が進み、震災で生活の場を奪われた人々の新たな暮らしが徐々に始まった。内陸部では、岩手県一関市千厩町千厩の住宅地が著しく下落したことに、疲弊する中小都市の姿が重なる。

 国交省地価調査課の担当者は2005年の市町村合併の長期的な影響を挙げ、「旧千厩町時代は中心部だったが、隣接商業地で店舗が減り用途の多様性がなくなった」と指摘。地価は05~16年で約4割下がった。

 人口流出が加速し、復興の途次にある被災地や、景気回復の波及が薄い中小都市で「住みたい町」をどうつくるか。政策の下支えとともに、社会的起業やコミュニティー再生といった住民主体の取り組みが必要であることが改めて浮き彫りになった。(東京支社・片山佐和子)

最終更新:9月21日(水)12時25分

河北新報