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1号店は世田谷? スピード上場「串カツ田中」のトリビア

日刊ゲンダイDIGITAL 9月21日(水)9時26分配信

 1号店オープンから、わずか8年の「串カツ田中」が、今月14日に東証マザーズに上場した。初値は売り出し価格を13%上回る4425円と上々の滑り出しだった。16日には6630円まで株価が上昇。まさに“アゲアゲ”だ。

 店舗数は関東圏103、関東圏以外17の計120(7月末時点)。店の看板には「大阪伝統の味 名物串カツ田中」とある。何となく、大阪に1号店があって、その後、人気に火がつき関東に進出というイメージを抱く。

 ところが、08年12月に開業した1号店は「世田谷店」。東急世田谷線の「世田谷駅」に近いオシャレな場所だ。「串カツ田中ブランドの特徴」(目論見書より)には、「串カツ田中は、大阪の下町で生まれた大衆食である串カツ専門店です」とある。確かに同店が大阪発祥とは書いていない……。

 さらに、もう1つ。創業者はさすがに「田中」だろうと思ったら、社長の名前は「貫啓二」で、田中さんじゃなかった。

 これも目論見書にちゃんと書いてあった。「当社の味は、当社取締役副社長田中洋江が父親の田中勇吉(故人)から受け継いだ田中家の味を大阪の西成から東京に持ってきたものです」。なるほど、副社長の家の「伝統の味」だったのだ。

「14年7月に上場した鳥貴族もそうですが、串カツ田中は、単一メニューの強さが光っています。通常の居酒屋と違って、メニューが少ない分、廃棄ロスは減り、料理する手間もかかりません。こうした業態は成功すると、300~500店まで成長が可能です。ただし、その先は大変です。ラーメン中心の『日高屋』(社名ハイデイ日高)や『幸楽苑』(幸楽苑HD)などもそうでした」(株式評論家の杉村富生氏)

 串カツ田中の貫社長(45)は、トヨタ系の運送会社に勤務した後、27歳のときに大阪・心斎橋でバーを開業。「串カツ田中」につながる副社長に出会ったのは、この頃だった。その後、大阪や東京・青山にレストランを開業したものの、08年リーマン・ショックなどの影響で経営は厳しくなった。

 そして、ようやく「大阪伝統の味 串カツ」にたどり着く。串カツは常時30品以上、1本100円~。客単価が2400円程度になるようにメニューを設定しているという。サラリーマンの味方だ。

最終更新:9月21日(水)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL