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衰え知らずイーストウッド&ハンクスの鉄板コンビ 映画『ハドソン川の奇跡』

夕刊フジ 9月21日(水)16時56分配信

 【聖林裏表】9日から全米公開されたクリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演の話題作「ハドソン川の奇跡」(日本公開24日)を鑑賞した。題名から分かるように、USエアウェイズ機が2009年1月、ハドソン川に不時着した事故をあつかった作品だ。

 ニューヨーク発シャーロット経由シアトル行きの1549便は離陸直後、雁(ガン)の大群に遭遇し、バードストライクによってエンジンが停止してしまう。異常を察知した管制塔は、進行方向にある別の空港への緊急着陸を促したが、高度があまりに低かったことなどから、チェズレイ・サレンバーガー機長はハドソン川への緊急着水を敢行する。

 水面に平行に着水し、乗客・乗員155人全員が無事だったことから、当時のニューヨーク州知事は「ハドソン川の奇跡」と称賛した。それが名称の由来とされている。事故発生から着水まではわずか208秒。この短時間のドラマを語るために、ストーリーは展開されていく。

 ハンクスが機長を演じ、イーストウッドがメガホンを握った作品は公開後、最初の週末の興業収入ランキングで、堂々の1位に輝いた。9日~11日の週末3日間の興行収入は3550万ドル(約36億4000万円)で、2位以下を寄せ付けなかった。

 配給会社のワーナー・ブラザーズによれば、この週末の観客の約80%が35歳以上だった。“大人ウケ”する作品であることを示した。米紙ロサンゼルス・タイムズが調査会社のデータを引用して報じたところによれば、無作為に抽出した週末の観客の39%が「ハンクスが好きだから映画を見に来た」と答え、20%が「イーストウッドが好きだから」と回答した。この組み合わせは、やはり“鉄板”なのだ。

 公開後最初の週末は、米中枢同時テロ「9・11」から15周年の節目と重なった。愛国心やヒーローイズムがあふれる作品は見た人に心地よい感動を与える。「ハリウッドは『ハドソン川の奇跡』で9・11を記念した」。そんな見出しで報じた米芸能メディアもあった。

 ワーナー・ブラザーズ幹部によれば、こうした客層は、公開後最初の週末ではなく、少し時間が経過してから劇場に足を運ぶ傾向にあるといい、息の長いヒットになる可能性もある。

 少し気が早いが、「ハドソン川の奇跡」が17年のアカデミー賞有力候補との呼び声も聞こえてくる。作品賞、監督賞、主演男優賞……。86歳のイーストウッドが監督賞を受賞すると、史上最年長。ハンクスが主演男優賞なら3回目の受賞で、いずれも記録がかかる。重ね重ね、少し気が早いが…、期待は膨らむ。 (産経新聞ロサンゼルス支局長・中村将)

最終更新:9月21日(水)17時21分

夕刊フジ