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福島支える「農業女子」 新規就農61人最多 魅力感じて挑戦

福島民報 9月21日(水)11時50分配信

 平成28年度に福島県内で新たに就農した女性は61人に上り、統計を開始した11年度以降で最多となった。県は女性の社会進出とともに新しい営農形態が普及し、魅力的な仕事として選ぶ人が多くなったとみている。担い手の「農業女子」たちは「消費者に寄り添い福島を支えたい」と意欲を見せている。
 新たに農業を始めた女性は東日本大震災、東京電力福島第一原発事故前の22年度に37人に伸び、事故後は増減があるものの、27年度に55人、今回は61人で2年連続で増加した。全体に占める割合は27、28年度とも約26%で、新規就農者の4人に1人が女性になっている。
 県は法人化で雇用による就農の枠組みが増え、6次化商品作りなど新たな手法が農業の印象を押し上げていると分析している。
 1月に伊達市の認定新規就農者となった同市霊山町の菅野照さん(39)は「県産の野菜のおいしさに魅了された」と仕事として選んだ理由を語る。大阪府出身で震災後に伊達市地域おこし支援員となり復興に尽くす中、農家への思いが強くなった。ミニトマトやサヤエンドウ作りに汗を流し充実感を口にする。
 「家族の絆が強くなった」。福島市で野菜を中心に栽培している遠藤紗智さん(30)は夫の有羽樹(ゆうき)さん(31)と昨年7月に就農した。キュウリ、トマトなどを育てている。苦労はあるが、家族で力を合わせての作業にやりがいを感じている。
 就農した女性同士の交流も生まれている。県が7月に設立したふくしま農業女子ネットワークには約30人が参加しており、農業を生かした地域振興策を検討している。各地で取り組める農産物の加工品作りなどを目指し意見を出し合っている。事務局の県農業担い手課は「女性ならではの視点が県内の農業のさらなる活性化に結び付くはず」と期待を込めている。

■全体も238人で最多 後継者以外は110人

 28年度は県内全体の新規就農者数も238人で過去最多となった。県は原発事故後、関係者が放射性物質検査などで県内農作物の安全性を発信し続けたことで、若い世代の意識が農業に向いてきたとみている。
 区分で見ると、自営による就農は前年度より30人多い123人となった。後継者以外で新たに農業を始める新規参入は110人で、前年度より15人増えた。
 県は県や市町村などの定住支援策などが成果を上げたとみている。

福島民報社

最終更新:9月21日(水)12時0分

福島民報