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「記者クラブ廃止すべき」が8割?

ZUU online 9月21日(水)18時40分配信

ポータルサイトYahoo!が実施している意識調査「記者クラブ、廃止すべき?」(8月28日~9月30日)で、9月21日現在、約11万票が投じられ、その8割以上が「廃止すべき」とこたえている。ことあるごとに廃止すべしとの議論が高まる記者クラブだが、果たして必要なのだろうか。

■報道の自由度72位の日本

日本記者クラブは2002年、「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」を公開。「記者クラブは、公的機関などを継続的に取材するジャーナリストたちによって構成される『取材・報道のための自主的な組織』です」としている。

しかし「記者クラブ」はマスコミ関係者であれば誰でも入れるわけではない。加盟制度があり、実際は通信社や大手新聞社やテレビ局の記者しか入れない。「大手マスコミの既得権益」といわれるゆえんだ。フリーランスの記者は加入できず、海外メディアなどからは取材の障壁とみなされている。

また国際NGO「国境なき記者団」が4月に発表した2016年の「報道の自由度ランキング」で、日本は対象の180カ国・地域のうち、前年より11ランク下がって72位だった。このランクの低さに記者クラブの存在が影響していることは言うまでもない。

「記者クラブ」のメリットは何かといえば、加盟するニュース・メディアにとっては公権力や政治家の取材拒否や差別に対抗できることだ。大手メディアが、公的機関がもつ第一次情報に密着取材して報道できることは、読者、市民にとっても意義がある。

鳩山政権時代、記者クラブの開放が注目された。しかしその後も、中央省庁の記者クラブは「Webメディアは対象外」とするなど、ポーズだけの開放であることが分かり、一気に期待の熱は冷めてしまったことは記憶に新しい。

だが東日本大震災後に起きた東京電力福島第1原発事故で、東電と旧原子力安全・保安院の記者会見では、ネットなどで活躍する独立系メディアのライターやジャーナリストが参加、大手メディアができない質問をするなど、存在感を見せていた。

とはいえ、独立系メディアおよびジャーナリスト側にも、記者クラブ開放が進まない問題点はあるのではないだろうか。2011年に設立された自由報道協会も設立当初ほど話題にならなくなっている。

■ベテラン新聞記者も「廃止を」

いまやインターネットの存在、ソーシャルメディアも誰もが利用している時代だ。大手メディアの社員記者よりもよほど取材力、文章力、発信力のある個人、ブロガーも珍しくなくなってきている。

こうした中で、むしろクラブ主催の記者会見は、クラブ加盟の企業には利点といえども、広く市民にとって望ましい形とは言えなくなってきている。

廃止論が多数を占める昨今では「記者クラブ」のメリットを声高に叫ぶもグリップ力に弱い。毎日新聞社別編集委員の岸井成格氏らジャーナリスト5人が3月24日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で行った会見で、岸井氏は質問に答える形で記者クラブ制度に言及し、「弊害が目立つようになってきた」として「やっぱり廃止したほうがいい」と述べている。長い間にはマスコミ人も疑問を感じ始めている証拠だろう。(ZUU online 編集部)

最終更新:9月21日(水)18時40分

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