ここから本文です

元船頭主任が無罪主張 天竜川下り船転覆、静岡地裁初公判

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月21日(水)14時15分配信

 2011年8月に浜松市天竜区の天竜川で5人が死亡した川下り船の転覆事故で、業務上過失致死の罪に問われた運営会社の天竜浜名湖鉄道の安全統括管理者だった元営業課長(58)、元船頭主任(67)、元船頭(66)の3被告=いずれも同市=の初公判が21日午前、静岡地裁(佐藤正信裁判長)で開かれた。罪状認否で元船頭主任は「責任があるとは思えない」などと述べて無罪を主張、元営業課長、元船頭は起訴内容を認めた。

 冒頭陳述で検察側は「元営業課長は救命胴衣の着用を徹底させないなど安全対策への意識が希薄。元船頭主任は船頭の経験を積んでいたのに、安全対策を進言しなかった。元船頭は就航前に安全運航について十分検討しなかった」と指摘した。一方、元船頭主任の弁護人は「社員ではなく業務委託関係だった元船頭主任には進言の義務まではない」と主張した。元営業課長、元船頭両被告の弁護人は「深く反省している」などと述べて、寛大な判決を求めた。

 3被告は15年3月に起訴された。起訴状によると、元営業課長、元船頭主任は川底から急激に水が湧き上がる「噴流」の危険を回避するための訓練を船頭たちに実施させないまま船を運航させ、事故を未然に防ぐ業務上の注意義務を怠ったとされる。元船頭は、事故で死亡した船尾側の船頭=当時(66)=に操船を任せ、航路の状況を注視しないなど注意義務を怠ったとされる。

 21日午後には、検察側の証人として、3被告の同僚だった元船頭の男性が出廷し、尋問が行われる予定。



 <メモ>天竜川船転覆事故 浜松市の天竜川で2011年8月17日、乗客21人と船頭2人を乗せた川下り船が、川底から湧き上がり渦を巻く「噴流」や、川をさかのぼる「反流」に巻き込まれ旋回。上流に逃げようとしたが岩場に衝突し転覆。2歳の幼児を含む乗客4人と船頭1人が死亡した。国の運輸安全委員会は12年12月、運航事業者が船頭に技能を身に付ける訓練をさせず、安全管理上の問題があったと指摘。救命具を適切に使えば被害を防止・軽減できた可能性があると結論付けた。

静岡新聞社

最終更新:9月21日(水)14時53分

@S[アットエス] by 静岡新聞