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韓経:【寄稿】児童虐待予防、日本の「広場事業」から学ぼう

中央日報日本語版 9月21日(水)14時1分配信

最近、児童虐待死亡事件が続き、児童虐待が社会的イシューに浮上した。2013年10月に蔚山(ウルサン)で小学生が継母から暴行を受けて死亡した事件をきっかけに、政府が「児童虐待総合対策」を出した後、児童虐待申告事例が急増した。しかし児童1000人あたりの被害児童発見率が米国9.1人(2013年)、豪州17.6人(2013年)であるのに対し、韓国は1.1人(2014年)にすぎない。

児童虐待の特徴はほとんどの場合、親が加害者で(2015年79.8%)、重複虐待が多く、家族の貧困や養育ストレスに直面した危機家庭で死亡事件が主に発生するという点だ。虐待を受けた児童を保護して治療するのに必要な直接費用に、虐待後遺症の治療にかかる社会・経済的費用の間接費用を合わせると、韓国社会が児童虐待で毎年負担する費用は最大76兆ウォン(約7兆円)と推定される。

児童虐待の予防と対応のために改善するべき事項のうち最も重要なのは児童保護システムだ。児童保護システムの最も大きな問題点は、児童関連業務が保健福祉部(18歳未満)、女性家族部(9-24歳)、教育部(学校内の児童)などに分離され、部処別に分散した児童業務を有機的に連係するコントロールタワーがないということだ。関連予算の不足で危機家庭の児童と親に対する虐待予防システムが十分に整っていないという点も指摘される。

児童虐待が深刻な社会問題となり、政府は長期欠席の小学生と中学生に対する合同点検、事例管理が終結した虐待被害児童に対する点検、健康検診未実施児童の養育環境点検、養育手当を申請していない家庭の点検などを通じた早期発見システムを強化した。ビッグデータを活用して児童虐待高危険群を発掘するシステムを2017年までに構築する計画だ。政府のこうした児童虐待防止対策は早期発見の側面で画期的な改善案になるかもしれないが、予防の側面では限界がある。

児童保護システムを改善するためにドイツ福祉政策の構成原理に注目する必要がある。ドイツ社会保障政策の基本原則のうちキリスト教の伝統に由来する「補充性の原則」がある。これによると、発生した問題の1次的責任者である個人の自救努力を優先視し、補充的レベルで家族と親戚、職場と慈善団体、基礎自治体、広域自治体および国の順に介入する。したがって公共の介入より民間の介入を、中央政府の介入より自治体の介入を優先する。

こうした観点で危機家庭を早期発掘して児童虐待を予防するためには、まずは地域社会を中心に児童保護システムを強化し、次に処罰よりは児童放任と児童虐待の危機にある家族を見つけて支援することに焦点を合わせなければいけない。日本には危機家庭を早期に発掘し、地域社会基盤の支援を通じて児童保護システムを強化した良い事例がある。日本では「失われた20年」の低成長と景気低迷による児童家族の貧困深刻化で危機児童保護システムを強化する必要性が高まった。これを受け、基礎自治体が虐待児童だけでなく潜在的危機に露出している児童と家族に対する保護サービスを民間団体と共同で提供し、成果を上げている。代表的な例として、市民団体中心の養育支援共同体と自治体中心の育児支援サービスを結合した「広場事業」が挙げられる。広場事業とは危機に直面した専業主婦を公開された空間に引き出して育児問題を共有・相談することで、家庭という空間に限られていた育児問題を解決した。

児童虐待を訓育という名分で容認してはいけない。全員が近所の児童に対する関心を高めて1次安全網を作動させ、自治体と市民社会団体も積極的に参加しなければいけない。すべての地域と社会が取り組んで子どもを守ることを期待する。

キム・サンホ韓国保健社会研究院長

※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。

最終更新:9月21日(水)14時1分

中央日報日本語版

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。