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ロイター/INSEADアジア企業景況指数、第3四半期は68に改善

ロイター 9月21日(水)12時20分配信

[ソウル 21日 ロイター] - トムソン・ロイターがINSEADと共同実施したアジア企業景況調査によると、第3・四半期のアジア主要企業の景況感は、中国経済安定の兆候と英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる懸念の後退で5四半期ぶりの高水準に改善した。

今後のリスク要因としては、米大統領選でのトランプ候補勝利の可能性やエネルギー価格が挙げられた。

調査対象118社の向こう6カ月の景況感を示す第3・四半期のロイター/INSEADアジア企業景況指数<.TRIABS><RACSI>は68で、第2・四半期の67から上昇した。昨年12月の4年ぶり低水準から3四半期連続で上昇している。50が景況の改善と悪化の分岐点。

INSEADのアントニオ・ファタス教授(経済学)は、「中国リスクは一段と制御可能となったようだ。英国のEU離脱はまだ完全な危機には至っておらず、抑制されるとの期待もある」と述べた。

2009年に算出が始まった同指数の過去最低は45だが、ほぼ60─70の水準で推移している。

中国の指数は90となり2011年第1・四半期以来の高水準。8割の回答者が今後6カ月の見通しはポジティブと答え、2割がニュートラル(中立)とした。

堅調な住宅市場や政府のインフラ支出で8月の鉱工業生産や小売売上高は予想を上回る伸びとなっており、第3・四半期の成長率が予想を上回る可能性を示している。

オーストラリアは19ポイント改善の88で、最も大きな伸びを見せた。

最も下げたのはシンガポールで25ポイント低下の38。8月の輸出は停滞し、懸念に拍車をかけた。

フィリピンは94で5四半期連続で域内最高となった。経済が力強い成長を続けている。

韓国と日本は50で中立水準。韓国は前回73、日本は46だった。

リスク要因では114社中15社が「トランプ米大統領」の可能性とエネルギー価格を挙げた。次いで中国の企業債務で14社。

ファタス教授は「トランプ候補はリスク要因」とした上で、地政学リスクや具体的な経済政策の欠如を挙げた。

<セクター別見通し>

このほか、リスク要因として低迷する消費者信頼感を挙げたのは8社、外為市場の変動は7社が指摘した。

今回の調査は9月1─17日に実施。49%の回答がポジティブな見通しを示し、2年ぶりの高水準となった。中立は38%、ネガティブは13%となった。

セクター別では不動産が最も改善し、12ポイント上昇の75となった。

最も下げたのは小売・娯楽で14ポイント低下の68となった。

建設・エンジニアリングは引き続き最も弱気で58。ただ、韓国ではムードは明るい。

韓国の大手建設資材メーカーKCC<002380.KS>は、「去年も今年も建設市場は需要が堅調で、建設資材は来年まで好調とみている」との見解を示した。

回答企業名としての公表に応じたのは豪オイル・サーチ<OSH.AX>、印ヒーロー・モトコープ<HROM.NS>、日立製作所<6501.T>、マレーシアのコッサン・ラバー・インダストリーズ<KRIB.KL>、フィリピン・ナショナル・バンク<PNB.PS>、日月光半導体(アドバンスト・セ ミコンダクター・エンジニアリング)<2311.TW>など。

*調査対象企業は前回調査から変更されている可能性がある。

最終更新:9月21日(水)12時20分

ロイター