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【特集】琵琶湖でいま何が...ボートが漕げないワケ

毎日放送 9月21日(水)15時25分配信

 滋賀県近江八幡市などの約19万人が飲む水道水から「墨汁」のような臭いがするという話で、原因は、琵琶湖周辺で大量繁殖した強い異臭を放つ植物性プランクトンとみられています。そして、琵琶湖の異変はこれだけではありませんでした。

 大津市にある「琵琶湖漕艇場」今の時期はボートシーズンで毎週、カヌーやレガッタの大会が開催されています。この日も、多くの学生が練習の成果を発揮すべく汗を流していました。ところが選手の皆さん、あることに憤懣していました。

 「コース内を使って漕いでますが邪魔になります」

 よく見ると・・・コース上には大量の水草。船尾に水草が絡まってなんとも進みづらそうです。そして、オールにからまないように慎重に進みます。こちらのボートは水草の塊にはまってしまい抜け出すのも一苦労。漕艇場に水草が大量繁殖しているのです。

 「藻がブレードに引っかかって重くて決勝で負けてしまった」

 琵琶湖の南部を空から見てみると・・・湖面が緑色に。大量の水草でびっしりと埋め尽くされています。「コカナダモ」など外来種の水草です。選手たちを困らせる水草。漕艇場でも大会の2日前から除去作業を行いましたが、大会当日にはまた、どこからともなく大量の水草が流れ着きました。水草を除去するにはレースを中断しなければならず、そのため先月の大会では全てのレースを消化できない日もありました。

 「他の大きな川とかダム湖でも(レースを)やっていますが、藻で苦労しているのは琵琶湖漕艇場だけだと思います」(滋賀県立琵琶湖漕艇場 村田惣一郎主幹)

 この水草、影響を与えたのはレースだけではありません。湖岸に流れ着いた水草。白いところは腐っている部分、これが異臭を放っているのです。滋賀県では8月以降、水草を刈り取る船「藻刈り船」3台をフル稼働させていますが、すべてを除去するにはいたっていないといいます。

 「護岸に打ち上げられてくる藻の腐り方が、ちょっと激しいというイメージはあります」(東洋建設工事部 山下輝義さん)
 Q.この状況はいつまで続きそう?
 「10月に入ってしまいそうな雰囲気」

 異常発生した大量の水草。これだけではないこの夏の琵琶湖の異変。まだ他にもあるんです。

 滋賀県草津市の烏丸半島の入り江。去年までは7月になると一面がハスに覆われる「ハスの群生地」として知られていましたが・・・今年はまったくハスが生えませんでした。そして、いまその場所にさらなる異変が起きているというのです。

 ハスに代わって一面を覆いつくすのはオオバナミズキンバイという外来植物。南米原産の水生植物で可憐な黄色い花を咲かせます。しかし、生態系などに影響を及ぼすおそれがあるとして環境省が特定外来生物に指定しています。そして、驚くのはその繁殖力です。わずか2週間で30センチ以上も成長します。滋賀県によると、オオバナミズキンバイが初めて確認された2009年には生育した面積は150平方メートルほどでしたが、その後急増して2015年には、27万平方メートルと約1800倍にも増えたのです。

 オオバナミズキンバイは琵琶湖の漁にも影響を及ぼしています。

 「漁港の出たところなんですけど、ここずっとキンバイです」(志那漁協 中嶋信夫組合長)

 漁港のすぐ周りにも生い茂っていました。オオバナミズキンバイの影響で水の循環が妨げられ、水中に日光が届きにくくなって水質が悪化しているといいます。その影響もあってかアユやニゴロブナの漁獲量は今では10年前の3分の1以下にまで落ち込んだということで、厄介者の増殖に漁師の中嶋さんも憤懣しています。

 「この馬鹿野郎といいたい。漁で生活していくことは考えられません。漁師は我々の代でおしまいじゃないですかね」(志那漁協 中嶋信夫組合長)

 中嶋さんオオバナミズキキンバイを引っこ抜きますが・・・これでは太刀打ちできません。

 そんな中、こんな動きも・・・この日集まったのは学生のボランティア団体。オオバナミズキンバイを除去して綺麗な琵琶湖を取り戻そうと3日間、延べ1200人体制で活動し、約50トンを除去しました。

 「人力では限界がありますし、だからこそ国主導で琵琶湖を守ってこうって、活動してくださる方が綺麗な琵琶湖に少しでも近づけると思っています」(ivusaプロジェクトマネージャー 西出侑生さん)

 この夏、琵琶湖に起きた様々な異変。ここ数日の雨で改善の兆しはみられるのでしょうか。

毎日放送

最終更新:9月21日(水)17時1分

毎日放送

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