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<バスケット>Bリーグ開幕へ 2部熊本、奇跡に誓う

毎日新聞 9月21日(水)12時1分配信

 ◇地震で存続危機 支援に感謝「勝つ」

 今月開幕するバスケットボール男子のBリーグに、熊本ヴォルターズが2部で参入する。4月の熊本地震で一時はチーム存続の危機に立たされたが、全国からの支援で乗り越えた。主将の小林慎太郎(31)は「ここまで来たのは奇跡に近い。プレーで興奮を与えたい」と決意を語る。24日に熊本市の県立総合体育館で2部開幕戦を迎える。

 4月14日に熊本地震が発生した時は、ナショナルリーグ(NBL)のシーズン中だった。本拠地の益城(ましき)町総合体育館が避難所になって使用できなくなったため、最終戦のホームゲームを含む6試合が打ち切りになった。入場料や協賛金の収入もなくなり、スポンサーの地元企業も被災し「支援を続けるのは難しい」との声が上がった。チームの資金繰りは悪化し、5月中旬には湯之上聡代表が記者会見で「会社は危機に直面している。ここでチームを消してはいけない」と不足分の運営資金3000万円を求め、全国に支援を訴えた。

 先が見えない中で、選手たちは他チームの試合会場に足を運び、支援を呼びかけた。ネット上でも募金への協力を呼びかけ総額1000万円を超える寄付が集まった。NBLの資金援助も受けて、何とか存続へこぎ着けた。

 最悪の事態は避けられたものの、苦難は続いた。運営費を例年より2割抑えたため、多くの主力選手を放出。新戦力も集まらず、7月1日の始動時にはわずか5選手しかいなかった。

 厳しい状況だが、小林主将は「僕たちにはプロとして戦う責任がある」と語る。活動休止中、選手たちが支援物資を避難所に配るボランティアをしていると「今度見に行くから頑張って」と度々声をかけられた。今季から指揮を執る保田尭之ヘッドコーチ(HC)も益城町総合体育館で1カ月住み込み、ボランティア活動をした。保田HCは「熊本と共に戦う意義を感じた。応援してくれる人のために、勝利という形で応えたい」と意気込む。

 開幕戦は県外開催も検討されたが、ホームの県立総合体育館に決まった。体育館は今も駐車場が隆起するなど爪痕が残るが、選手は12人まで増えた。小林主将は「気持ちを込めて、熊本の人にささげるプレーをしたい。何よりも勝ちたい」と誓った。【生野貴紀】

 ◇ことば【Bリーグ】

 実業団チームが中心となった日本リーグの流れをくむNBLと、完全プロ化を目指して日本リーグを脱退したbjリーグが統合した新たな男子プロバスケットボールリーグ。来年5月まで1、2部の各18チームが初代王者を懸け年間60試合を戦う。

最終更新:9月21日(水)12時43分

毎日新聞