ここから本文です

稀勢の里が苦手琴奨菊撃破「日に日に良い」2差死守

日刊スポーツ 9月21日(水)10時2分配信

<大相撲秋場所>◇10日目◇20日◇東京・両国国技館

 綱とりの夢をかなえる逆転優勝へ負けられない大関稀勢の里(30=田子ノ浦)が、史上最多を更新する61度目の対戦となった大関琴奨菊を寄り切って2敗を守った。今日11日目は全勝の大関豪栄道戦。同学年の大関に勝てば1差に詰め寄り、負ければ望みをほぼ絶たれる。絶対に負けられない一番を迎える。

【写真】日馬富士「集中」1敗守る、上位戦へ「ドキドキ」

 強烈な左が、圧力自慢の大関を止めた。稀勢の里のおっつけに、琴奨菊の体が浮き上がる。そのまま左をねじ込み、下手を奪う。右を抱えながら、相手が巻き替えに来た瞬間に寄り立てた。「落ち着いてやれましたね、今日は。良かったと思います」。最初の大関戦。圧力で上回ったのは、綱とりの稀勢の里だった。

 今月上旬、二所ノ関一門の連合稽古で琴奨菊と、2日連続で胸を合わせた。これまでなら場所前の互いの稽古はそこで終わるはずだった。だが、その2日後にまた、稀勢の里から頼んで出稽古に赴いた。「いつも通りじゃないですか」とけむに巻いたが、これまでにはなかった。右かかと痛で夏巡業前半を休んだ遅れを取り戻すために、同じ大関の圧力を何度も味わった。

 感覚のずれから初日、3日目と敗れたが、4日目から朝稽古の内容を変えた。四股を踏む時間を増やして、汗を目いっぱいかいた。基本への立ち返り-。思えば5年前もそうだった。

 大関に昇進する直前の11年夏。巡業がなくなり、部屋の青森合宿に初めてフル参加した。3週間、全く相撲を取らない。100キロのバーベルを担いだ山登り。延々と続くスクワット。土俵回りに器具を並べ、サーキットトレーニングもした。「本当にきつかった。でも、九州場所で先代が亡くなり、1週間何もできなかったけど、基本がしっかりできていたから2桁勝てた。あの教え、合宿がなかったら大関に上がっていなかったかもしれないです」。

 迷えば立ち返るのは基本。負けられなくなった4日目から7連勝で、場所前に受けた琴奨菊の圧力も力で封じられた。「体はだいぶ良い。日に日に良い」。ようやくギアがかかり、豪栄道との一番に臨む。全勝から引きずり降ろさなければ先はない。「これからだと思う。集中してやるだけです」。支度部屋。両太ももを5回たたいて、力強く立ち上がった。【今村健人】

最終更新:9月21日(水)11時11分

日刊スポーツ