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情報BOX:「量的・質的金融緩和」効果の総括検証=日銀

ロイター 9月21日(水)14時58分配信

[東京 21日 ロイター] - 日銀が21日発表した「量的・質的金融緩和」導入以降の経済・物価動向と政策効果についての「総括検証」の主な内容は以下の通り。

1.総括的検証

1)「量的・質的金融緩和」のメカニズム

予想物価上昇率の押し上げと名目金利の押し下げにより、実質金利が低下。金融環境が改善し、その結果、経済・物価の好転をもたらし、デフレではなくなった。

2)物価安定目標2%の実現を阻害した要因

原油価格下落、消費税率引き上げ、新興国経済の減速と国際金融市場の不安定な動き、その中で予想物価上昇率が横ばいから弱含みに転じたこと。

3)予想物価上昇率の期待形成メカニズム

2%の物価安定目標を実現するためには、予想物価上昇率をさらに引き上げる必要。実際の物価上昇率が当面低い水準で推移する中、引き上げには時間がかかる可能性。フォワードルッキングな期待形成の役割が重要。

マネタリーベースの拡大は人々の物価観に働きかけ、予想物価上昇率の押し上げに寄与した。一方、マネタリーベースと予想物価上昇率は長期的な関係を持つため、その長期的な増加へのコミットメントが重要。

4)マイナス金利と国債買入によるイールドカーブの押し下げ

マイナス金利と国債買入との組み合わせにより、短期金利のみならず長期金利も大きく押し下げた。イールドカーブ全般に影響を与える上で、この組み合わせが有効であることが明らかになった。

5)イールドカーブ引き下げの効果と影響

これまでのところ、マイナス金利の下で金融環境は一段と緩和的になっている。もっとも貸出金利低下は金融機関の利ザヤを縮小させることで実現、さらなる金利低下に伴う貸出金利への波及については、金融機関のか貸出運営方針にも依存する。

イールドカーブの形状の影響で留意する点は以下の通り。

1.経済への影響は中短期ゾーンの効果が相対的に大きい

2.超長期社債の発行など新しい動きが生じ、この関係は変化する可能性

3.イールドカーブの過度な低下・フラット化は、金融機能の持続性に不安感をもたらし、マインド面を通じ経済活動に悪影響及ぼす可能性

2.示唆される政策の方向性

1)予想物価上昇率をさらに引き上げる必要があるが、不確実性があり、時間がかかる可能性があることを踏まえ、フォワードルッキングな期待形成を強める手段を導入する比兆。持続性・柔軟性のあるスキームが必要。

2)マネタリーベースは、長期的な増加にコミットすることが重要。

3)マイナス金利と国債買入を適切に組み合わせることにより、イールドカーブ全般に影響を与えることができる。

4)イールドカーブの適切な形成を促すに当たっては、 貸出・社債金利への波及 経済への影響 金融機能への影響など、経済・物価・金融情勢を踏まえて判断。

(中川泉 編集:橋本俊樹)

最終更新:9月22日(木)2時57分

ロイター