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マイナス金利、地方潤す 基準地価、回復傾向 仙台など中核都市で需要旺盛

産経新聞 9月21日(水)7時55分配信

 平成28年の基準地価では商業地の全国平均が9年ぶりにプラスに転じるなど、地価の回復傾向が鮮明となった。日銀のマイナス金利政策などを背景に潤沢な投資マネーが三大都市圏(東京、大阪、名古屋)だけでなく地方中核都市の不動産需要も押し上げた。一方で景気の不透明感は根強く、大量供給が見込まれる東京都心部の物件などは今後、厳しい選別の目にさらされることになる。(佐久間修志)

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 東京駅から徒歩圏かつ地下鉄5路線が乗り入れる日本有数のビジネス街・大手町。三菱地所が4月に完成した複合ビル「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」は小規模オフィスまで満室で開業を迎えた。ミシュランガイドに選ばれた名店も入り、入居企業も「グローバル展開に最適な環境」(協和発酵キリン)と利便性を評価する。

 旺盛な不動産需要は地方中核都市にも波及する。住宅地上昇率で全国トップ10に2地点が入った仙台市若林区は昨年12月に地下鉄東西線が開通。新駅周辺は通勤族向けのベッドタウンとして人気だ。地元の仲介業者は「築浅のファミリー用物件は賃料が1~2割弱くらい上昇した」(ミニミニ仙台荒井店)と話す。

 不動産市場の活況は日銀が導入したマイナス金利の押し上げが大きい。従来の金融緩和政策も資産運用を低金利の国債から不動産にシフトさせる効果があったが、マイナス金利でその流れが加速した。SMBC日興証券の鳥井裕史シニアアナリストは「地方の金融機関が不動産投資信託(Jリート)への投融資を加速させている」と明かす。

 手持ち資金を得たJリートは都市部の不動産だけでなく、比較的手ごろな価格で今後の価格上昇が見込める物件にも分散投資する。三菱UFJ信託銀行の大溝日出夫・不動産コンサルティング部課長は「マイナス金利であふれたマネーが、再開発などで利便性が高まった地方中核都市に流入している」と分析する。

 ただ、潤沢なマネーに支えられた市場は景気次第で冷え込む危険性もはらむ。

 不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)によると、昨年上半期の商業用不動産の直接投資額で世界3位だった東京は今年上半期に5位まで転落。都心部も優勝劣敗の動きが始まっている。住友商事は30年秋をめどに地下鉄1路線の中央区晴海を離れ、大手町に本社を移転する。同社は「社員の利便性を考慮した」と話す。

 JLLの大東雄人アソシエイトダイレクターは「景気の足踏みで、投資に見合った利回りが得られなければ不動産市場は縮小しかねない。地価上昇の流れを継続させるには金融政策だけでなく、実体経済の活性化が必要だ」と指摘する。

最終更新:9月21日(水)7時55分

産経新聞

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