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米、誤爆で自ら苦境に 米露外相が対応協議

産経新聞 9月21日(水)7時55分配信

 【ワシントン=青木伸行】オバマ米政権のシリア戦略は、東部デリゾールで米軍主導の有志連合軍がアサド政権軍を誤爆するという、自らの手痛いミスによって苦境に追い込まれた。19日には停戦延長を呼びかけたが、ロシアなどに付け入る隙を与えた形で、米露協調で停戦を維持し和平協議の再開につなげるシナリオは危機にひんしている。

 シリア情勢の急展開を受け、ケリー米国務長官は20日、ニューヨークでロシアのラブロフ外相と会談した。米国務省は19日、停戦を「延長する用意がある」との声明を発表。ケリー氏は、「ロシアの(延長に関する)見解を知る必要がある。ロシアがアサド政権を制御することが肝要だ」と語り、暗に秋波を送った。

 声明は同時に、シリア北部アレッポ周辺で19日、支援物資を運ぶ車列が空爆されたことに「激しい怒りを覚える」と非難した。

 軍事的には、米政府は停戦の延長により当初の予定通り、アサド政権軍による反体制派地域での空爆を封じ込め、ISに対する米軍との共同軍事行動をロシアに取らせることで、一定のタガをはめる狙いがある。

 だが、先の停戦発効後もアサド政権による反体制派への攻撃が続いたうえ、誤爆についても米政府は「意図した攻撃ではなかった」(国防総省)と、可能性を認めている。アサド政権とロシアにとり米国との協力はもともと本意ではないとの見方もでていた。

 一方、米国はイラクでも依然、難題を抱えている。オバマ大統領は19日、ニューヨークでイラクのアバディ首相と会談し、ISが支配する北部モスルの奪還作戦について、「厳しい戦いになるが、自信を強めている」と応じた。

最終更新:9月21日(水)7時55分

産経新聞