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TOPIX3カ月半ぶり高値、銀行株急伸 慎重姿勢なお継続

ロイター 9月21日(水)18時42分配信

[東京 21日 ロイター] - 21日の東京株式市場では銀行株が急伸し、TOPIX<.TOPX>は終値で6月1日以来、3カ月半ぶりの水準を回復した。日銀が金融政策決定会合でマイナス金利の深掘りを見送ったことが金融セクターの上昇をもたらし、投資家心理の改善につながった。

しかし、為替など不透明要因も多く、投資家は今後の日本株の持続的な上昇には、なお慎重な姿勢を継続している。

<低下したNT倍率>

この日のTOPIXは前日比35.70ポイント(2.71%)高の1352.67で取引を終了。上昇率は日経平均<.N225>の1.91%を上回った。7月末の会合後に急上昇したNT倍率<.NTIDX>は12.43と、6月24日以来の低水準となっている。

TOPIXへの追い風となったのは銀行株の上昇だ。業種別指数の銀行業<.IBNKS.T>は一時7%高となる場面があった。

日銀は今回の金融政策決定会合で、短期金利の操作対象となるマイナス金利幅0.1%を維持する一方、新たに10年国債金利がゼロ%程度で推移するように買い入れを行う金融政策の枠組みの修正を決めた。長期金利がマイナス圏にあったなかで「これ以上のマイナス金利の深掘りは困難だとの見方が広がった。割安に放置されていた銀行株に対しては空売りの買い戻しだけではなく、見直し買いも入った」(大手証券トレーダー)といった声が聞かれた。

ETF(上場投信)買い入れ方式の変更が打ち出されたことも、銀行株の支援材料となった。日銀は年間のETF買い入れ額5.7兆円(設備・人材投資に積極的な企業を対象とするETF買い入れ分3000億円を除いたもの)のうち、3兆円についてはこれまで通り、3指数(TOPIX、日経225、JPX日経400)に連動するETFを対象に、銘柄ごとの時価総額に比例するように買い入れる一方、残りの2.7兆円については、TOPIX連動型ETFを対象とする。この新たな措置を受け、時価総額の高い銀行株に対して需要増加期待が広がったようだ。

<持続性を注視>

ただ、大手3行の株価パフォーマンスをみると、年初来で三菱UFJ<8306.T>が約27%安、三井住友<8316.T>が約20%安、みずほ<8411.T>が約24%安となっている。TOPIX(12.6%安)や日経平均(11.7%安)などと比べると、出遅れ感が強かった。出遅れ修正という面も少なくない。

銀行株が持続的に上昇するかどうかは、イールドカーブ次第だが、日銀が想定通りにイールドカーブを操作できるかについては、市場では疑問視する見方も出ている。

三井住友アセットマネジメント・シニアストラテジストの市川雅浩氏は、超長期の金利が上昇すれば、投資家の需要が高まり、イールドカーブはフラットニングすると指摘する。「本当に日銀がイールドカーブをコントロール出来るか、見極めなければならない」と話す。

さらに、米利上げの動向もイールドカーブには大きな影響を与える。日銀の政策公表後、為替は一時102円台後半までドル高/円安方向に振れたものの、黒田総裁の会見後には101円台後半まで軟化した。今後の米利上げペースを市場がどう織り込むのかに関心が集まるなか、さらなる円高懸念もくすぶっている。

岡三証券シニアストラテジストの小川佳紀氏は「これまでのように緩和で円安のトレンドを引き出すことが難しくなった感もある。金融株には多少の戻りの余地があったとしても、それだけで日経平均がマイナス金利導入前の水準まで戻るのは難しい」と読む。

今回の日本株の上昇は一過性の反応か、それとも持続的な上昇の端緒となるのか。株式市場の外に「解」を見出さざるを得ない局面がなお続きそうだ。

(長田善行 編集:石田仁志)

最終更新:9月21日(水)18時52分

ロイター

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