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ANAケータリング、機内食の味を地上で楽しめる「ANAのおいしいコレクション」を10月発売

Impress Watch 9月21日(水)17時42分配信

 ANA(全日本空輸)グループで機内食の企画・製造、機内サービス用品の搭降載業務を行なっているANAケータリングサービスは9月21日、機内食で培ったノウハウを活かした外販事業を開始。「ANAのおいしいコレクション」のブランドを立ち上げた。

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 ANAケータリングは、主に成田発、羽田発の国際線機内食や国内線のお弁当などを製造しており、ANAグループの企業ではあるが、アシアナ航空、エバー航空、エアカナダといった海外エアラインの機内食も手がけている。これら機内食を手がけるシェフの料理を、機内やラウンジだけでなく、より多くの人に届けるための商品として提供していくのが「ANAのおいしいコレクション」だ。

 発表会で挨拶したANAケータリングサービス 代表取締役社長の数田充彦氏は、この施策のきっかけとして、「約3年前にフリーズドライを独自に開発した。軽い、場所をとらない、お湯を入れるだけなのでCA(客室乗務員)の作業性がよい、品質が一定と、フリーズドライは非常に機内食に適している。これを3年前から機内やANAラウンジで提供してきたが、お客さまからのご好評な意見が多く、B to BからB to Cに拡大。『ANAのおいしいコレクション』ブランドを本日から立ち上げて売っていくことになった」と説明。また、「おせちも、3年ほど前から一部の通販とマイレージと交換できる品物として製造してきたほか、元旦のフライトでもファーストクラスで提供してきた。これもB to Cに拡大する」とANAのおいしいコレクション第1弾のラインアップを紹介した。

 2016年度中は3種のスープセット「おいしいスープセット」と、「謹製おせち三段重」の2種類を販売。今後について数田氏は「フリーズドライは10品以上開発が終わっていて、オニオンスープはすでに機内でも出している。多くの業者がいるので、特色を持ったものを提供していく」とする。

 販売は、まずはANAの公式ECサイト「A-style」で、おせちを10月1日、おいしいスープセットを10月下旬に発売。今後、ANAフーズと協力してカタログギフトや、空港売店「ANA FESTA」などへ拡大する予定となっている。さらに数田氏は販路の拡大について、「引き合いももらっているので交渉していく。いろいろなところの通販に載せていただきたいと思っているが、主にギフトになると思っている。店頭販売については、広く拡販という力はないので、クローズドな特殊なお店で高級感のある売り方をしていきたい」と、やや具体的な方向性を示した。

 ラインアップは今後年間4品ずつをめどに拡充。好評だという羽田工場のベーカリーキッチンで製造しているパンや、ロールケーキやマカロンといったオリジナルスイーツの展開を検討している。売り上げは初年度3000万円ほどを目指し、2017年度は1億円。2018年度はその20%増の1億2000万円程度に延ばし、「およそ5年後には2億円から2億5000万円ぐらいの売り上げになれば」と目標を語った。

■おいしいスープセット

 10月下旬から販売を開始する「おいしいスープセット」は、「境港産 紅ずわい蟹入り トマトクリームスープ」「酸辣湯(スーラータン)スープ」「花びらたけの三重奏スープ」のフリーズドライで、お湯を注げばスープができあがる。ラインアップと価格は、9個入りが5400円、20個入りが1万800円(いずれも送料込み)で、国産杉の間伐材で作られたコースターが9個入りには1個、20個入りには2個同梱される。発売は10月下旬。

 同商品を手がけた洋食統括部の吉倉福三シェフは、スープごとに特徴とお勧めの食べ方を紹介した。

「境港産 紅ずわい蟹入り トマトクリームスープ」については、「境港で水揚げされた紅ずわい蟹をたっぷりと使って、カニと相性のよいビスクに仕上げた。クリーミィで濃厚なスープからカニの風味がしっかりと感じられるスープ」と説明。併せて「お湯に、少し暖めたホットミルクをブレンドすると濃厚な香りがさらに引き立つ。さらに少しパスタを混ぜて、パルメザンチーズなどを入れると美味しいパスタ料理にもなる」との一工夫を紹介した。

「酸辣湯スープ」については、「日本の米酢と中華のお酢を使っている。濃厚なチキンのエキスを使ったスープで、酸味と辛みのバランスがよい」と説明。こちらも「ゆでた中華麺を入れてラーメンのようにすると美味しい。それに少しラー油を垂らしても美味しいと思う」というアレンジを紹介した。

「花びらたけの三重奏スープ」については、吉倉シェフも特に思い入れがあるとのことで、「地域連動の活動で三重県鈴鹿市の花びらだけ工房を見に行ったときに、そこの奥さまが実際に花びらだけを使ったスープを出してくれた。確かコンソメスープで、それに花びらだけがたっぷり。非常に印象に残っている。それをどうやって美味しいフリーズドライスープにするか、試行錯誤してようやく製品になった」との気持ちを吐露。

 できあがったスープについて、「幻のキノコと言われている貴重な花びらだけのこりこりした食感、香り、風味を活かした味わいにしている。オニオンスープをベースに、花びらだけと水菜を加えている。少ししゃきしゃきした食感」と説明。こちらも一工夫のアイデアとして「ご飯を入れて、少しパルメザンチーズを入れるとリゾットのような食感になる」と紹介した。

■謹製おせち三段重

 一方の和食メニューとなる「謹製おせち三段重」は、10月1日にA-styleで予約受付を開始。購入者には12月31日に届けられる。価格は2万3500円(送料込み)。「ANAのおいしいコレクション」ブランドの立ち上げがこの時期になったのは、10月のおせち商戦を見据えてのことという。

 メニューは和食統括部の久保正信シェフが手がけた。久保シェフは、「伝統的なおせち料理をベースとして、機内食で楽しんでいただいている味と多彩な料理を組み合わせて、お正月にふさわしい一品に仕上げた。壱の重には数の子やあわび、イクラなどの魚介類。弐の重にはローストビーフや鳥の塩麹焼きなどのお肉類や酢の物。参の重には里芋やゴボウ、タケノコ、クワイなどを入れており、3段合わせてバランスの取れた彩りのよいお重に仕上げている」と紹介。

 通信販売のおせち料理は非常に多くの業者から販売されているが、同社の強みとして数田氏は「好評をいただいているファーストクラスで出している機内食を使ったおせち」というブランド力を挙げたほか、久保シェフは「ケータリング会社は作ってお客さまに提供する業種ではない。冷凍技術などいろんな技術を使って、お客さまに届いた時点で一番よい味付け、盛り付けになるようにするのが得意分野」とケータリング会社の特徴が通販でのおせちにも強みになるとした。

 おせち料理は実際に機内で出しているものと同じで、「おせち料理は、元々保存食ということで味付けが濃いめ。機内食は上空で味覚がにぶると言われているので少し強めの味付けだが、そこに通じるものがあるので同じ味付けにしている」という。

トラベル Watch,編集部:多和田新也

最終更新:9月21日(水)17時42分

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