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焦点:不正懸念残る電子投票機、米大統領選で4人に1人が使用へ

ロイター 9月21日(水)12時20分配信

[ワシントン 20日 ロイター] - 米選挙に使われる電子投票機は不正操作などに弱く、紙による記録も残らないため正確に集計できないとの懸念が根強い。それでも未だに広く普及しており、ロイターの調べによると、11月の米大統領選では国民の4人に1人が電子投票機で投票することになりそうだ。

今年はロシア情報機関系ハッカーが米政治団体にサイバー攻撃を仕掛けたとの疑いが浮上した。また、共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏は選挙が「操作」される可能性を指摘しており、こうした中で、紙の記録によって検証できない老朽化したタッチスクリーン式の電子投票機が使われることになる。

ロイターが米国勢調査局、選挙補助委員会、選挙監視団体などのデータを分析したところ、全国民の25%に当たる4400万人の有権者が電子投票機を使う管区に住んでいる。この中にはジョージア、ペンシルベニア、バージニアといった激戦州も含まれる。

2008年の大統領選ではこの割合が31%だったが、12年は27%と、徐々に減ってきている。しかしミシガン大のコンピューター科学教授、アレックス・ホルダーマン氏は「全ての米国民が信頼できる投票技術にアクセスできるまで、まだ道のりは長い」と語る。

大半の電子投票機は寿命に近付き、問題を起こしやすくなっているが、議会は2002年以来、機器更新の予算を承認していない。直前の2000年の大統領選では、フロリダ州の再集計をめぐる騒ぎが起こり、老朽化したパンチカードやレバー式の投票システムの欠陥が浮き彫りになっていた。

一部の州では、資金がなくタッチスクリーン式を使い続ける貧しい地域と、投票用紙を処理する光学スキャン・システムに買い替えた裕福な地域との分断現象も起こっている。多くの専門家によると、後者の方が正確な集計が可能だ。

<疑わしい集計結果>

米選挙当局は、タッチスクリーン式が広く普及した2000年初頭から、欠陥に気付いていた。磁石や手のひらサイズの機器といった簡単な道具で投票結果の操作が可能なことが、調査で示されたからだ。

タッチスクリーン式の機械は06年の議会選挙におけるフロリダ州での投票など、いくつかの選挙で疑わしい集計結果を招いてきた。

08年以降、光学スキャンシステムへの切り替えのほか、タッチスクリーン式とプリンターを併用して紙の記録を残すようにしたり、郵送方式の投票に切り替えるなどの対策を取ってきた州もある。

選挙当局者らは、今なお使われているタッチスクリーン式機械はテストが繰り返されてきた上、投票作業員の訓練も強化されたため、10年前に比べて安全性が高まっていると主張する。また、インターネットに接続していないためハッカー攻撃も起こらないという。

実際、米国の電子投票機が大きなハッカー攻撃を受けた例は確認されていない。しかしセキュリティー専門家によると、投票を操作しようと思えばネット接続がなくてもメモリーカードを使ってウィルスを拡散させることが可能だ。それを防ぐには紙ベースのシステムに切り替えるのが一番だという。

(Andy Sullivan記者)

最終更新:9月21日(水)12時20分

ロイター

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