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<大相撲秋場所>稀勢の隙、見逃さず…止まらぬ豪栄道、全勝

毎日新聞 9月21日(水)20時42分配信

 館内の大歓声がこの一番の重要性を物語っていた。大相撲秋場所11日目の21日、初優勝を狙う豪栄道に対し、綱取りのためには星を落とせない稀勢の里。相撲人生の行方を左右しかねない30歳の同級生同士の大一番は5場所ぶりに豪栄道に軍配が上がった。

 立ち合いから稀勢の里の突き押しに圧力負けするが、体勢を崩しながらもうまく土俵を回ってしのいだ豪栄道。稀勢の里が左で張った一瞬の隙(すき)を見て中に入ると双差しから一気に前へ出た。最後は左で稀勢の里の右足を渡し込んで、土俵下に追い落とした。

 稀勢の里には常に先んじられてきた。高校卒業後に入門した時には中学卒業後に入門した稀勢の里は幕内に上がっていた。この日の朝稽古(あさげいこ)の後には「早く幕内に上がって追い付くのが目標だった。同級生やからね、負けたくない」とライバル心を隠さなかった。

 過去13勝24敗。最近1年では1勝5敗と大きく負け越している。大関では昨年秋場所と今年名古屋場所の千秋楽で敗れて負け越しが決まるなど、苦汁を飲まされてきた。その相手に久々に勝っても「まだ4日ある。明日の相撲に集中したい」と表情を変えない。

 カド番だった2008年夏場所で初優勝した鳴戸親方(元大関・琴欧洲)は「優勝はカド番どころのプレッシャーじゃない」と振り返る。

 初場所の琴奨菊以来となる日本出身力士優勝の期待を背にした豪栄道が、千秋楽まで平常心を保てるか。【佐野優】

最終更新:9月21日(水)20時42分

毎日新聞