ここから本文です

(朝鮮日報日本語版) 【社説】米の証拠提供で捜査に乗り出した中国の二重規範

朝鮮日報日本語版 9月21日(水)8時11分配信

 「中国政府は、ウラン精製に不可欠な酸化アルミニウムをはじめ、核・ミサイル開発にいつでも転用可能な4つの材料を北朝鮮に輸出し続けてきた中国企業グループ『遼寧鴻祥実業集団』の資産を凍結、オーナー一族に対する捜査を進めている」と米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが19日(現地時間)、報道した。米司法省の所属検事が先月、中国を訪問して証拠を提示したところ、中国公安当局は捜査に着手したとのことだ。同日、オバマ米大統領と李克強中国首相がニューヨークで会談し、北朝鮮の核問題について「司法のチャンネルを通じた協力の活性化」について話し合ったと米ホワイトハウスが明らかにした。「司法協力」が今回表面化した遼寧鴻祥実業集団に限ったことではなく、北朝鮮と取引するほかの中国企業にも適用されるかどうかは、今後の状況を見る必要がある。

 遼寧鴻祥実業集団の行為は、核開発に転用可能な物質や技術の移転を包括的に禁止している国連制裁決議第1718号(2006年)や、アルミニウムなどの輸出を明示して禁止した同第2270号(16年3月)に対する違反に当たる。中国の一部企業がこのように北朝鮮に核物質を供給しているという疑惑は繰り返し取りざたされてきた。今回の遼寧鴻祥実業集団のケースも中国政府が知らなかったはずがない。それでも中国は、米国側が証拠を出してやっと動いた。言葉と行動が一致しないダブルスタンダード(二重規範)によるものとしか言いようがない。

 韓国の民間シンクタンク「峨山政策研究院」と米国の安全保障シンクタンク「国防問題研究センター」はおととい、「国際社会の制裁規定を巧みにかいくぐっている中国企業248社・個人167人・船舶147隻を新たに発見した」と発表した。この中の相当数が遼寧鴻祥実業集団のように北朝鮮の核開発をほう助する犯罪行為をしている可能性が高い。少なくとも、これらすべてが対北朝鮮制裁に穴を開けるもので、北朝鮮の息の根を断つのを妨げている。これは「北朝鮮の核廃棄のために北朝鮮政権を崩壊させることはできない」という中国の基本方針によるものだ。中国がこの方針を変えない限り、北朝鮮の核問題は解決しない。

 北朝鮮はオバマ大統領と李克強首相が会談を行った日にわざわざ新ロケットエンジンの噴出実験に成功したと発表した。彼らの主張通りなら、あとは弾頭の大気圏再突入技術さえ確保できれば米国全域が北朝鮮の核ミサイルの射程圏に入ることになる。それでも中国では依然として北朝鮮政権の安定を心配する声がまず上がってくる。このままでは、中国は北朝鮮と「戦略的共謀関係にある」と言われもおかしくない。中国は「北朝鮮が核を持っていても韓半島(朝鮮半島)情勢は現状のままだ」と考えているのだろうが、それは危険で無責任な判断だ。

最終更新:9月21日(水)8時11分

朝鮮日報日本語版