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「奇跡」のKK、あんなコンビは現れない PL学園野球部元監督・中村順司さん

産経新聞 9月21日(水)17時5分配信

 【話の肖像画】PL学園野球部元監督・中村順司さん

 〈PL学園(大阪)の監督としてチームを率いたキャリアの中でも、エース・桑田真澄(元巨人など)と主砲・清原和博(元西武など)の「KKコンビ」を擁した昭和58年からの3年間は強烈な光を放っていた。2人は出場可能な甲子園全5大会に出場し、優勝2回、準優勝2回、4強1回という驚異的な成績を残した〉

 「奇跡」といってもいいコンビでした。入学時から2人の能力は抜きんでていた。桑田に遠投をやらせると、ボールが大きな放物線を描かない。地面とほぼ平行にピューと真っすぐに飛んでいく。高校1年であんな軌道の遠投をする子は桑田以外に見たことがない。「桑田を見て投手をあきらめた」という清原だって高校生離れした体格で、ものすごい打球を打っていました。桑田、清原の1年生コンビがチームを日本一に導く原動力になった。

 厳しい上下関係で知られるPL学園にあって、1年のうちから先輩に認められていましたね。なぜなら、2人とも人一倍、努力をしていたからです。3年だった60年春の甲子園準決勝で伊野商(高知)に敗れてからはすさまじかった。「毎晩のように汗びっしょりになって帰ってくる」と後輩たちが舌を巻く猛練習で、最後の夏に2度目の頂点に立ちました。エースと主砲。2人はチームでの役割が全く違っていたため、妙な嫉妬心もなく、互いに助け合えた部分があったんです。あんなコンビが現れることはこの先ないでしょう。

 〈桑田は戦後の学制改革以降で最多の甲子園通算20勝、清原は歴代最多の甲子園通算13本塁打の金字塔を打ち立てた。いずれも更新が難しいとされる大記録で、桑田は歴代2位タイの6本塁打も記録している〉

 甲子園で20勝ですよ。150キロを超える速球を投げて1試合や1大会限定で輝きを放つ投手はいても、5大会続けて輝き続けるのは不可能に近い。しかも、プロで活躍することを目指していた桑田は、あえて直球とカーブしか投げなかった。ほかの球種も使えたはずなので、持てる力を出し切っていたらどれだけのピッチングをしたでしょうか。清原もチームの勝利を最優先に考えるタイプだったので、自分から進塁打を打つような打者でした。監督として制約をかけた打席もありましたし、自由に打たせていたらホームランの数はもっと増えていたと思いますよ。

 〈野球にひたむきだった高校時代の清原を知るだけに、覚せい剤取締法違反で有罪判決を受けたことに信じられない思いでいる。同時に清原をよく知るからこそ更生を信じてもいる〉

 初めての甲子園で、緊張から神経性の腹痛を起こしたように細やかで、ヒットを打った相手選手に塁上で「ナイスバッティング」と声を掛けるような優しい男です。伊野商に負けた際には3三振を喫し、泣きながらベンチで片付けをしていた。雪辱を誓って、マウンド上の下級生に「もう1歩前、もう1歩前」と言って至近距離から投げ込ませてボールを打ち込み、3年夏の最後の甲子園で1大会最多記録の5本塁打を放ち、再び大粒の涙を流した姿を私は見ています。もう一度、3年生の春に負けてから夏に雪辱するまでに費やした努力の日々を思い出してほしい。そして、何とか立ち直ってもらいたい。(聞き手 奥山次郎)

最終更新:9月21日(水)17時5分

産経新聞

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