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「バトルMCは昔から何も変わらない。面白さがやっと届いた」 “フリースタイルバトルを日本で一番見ている男”が語る

AbemaTIMES 9月21日(水)12時0分配信

「BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」、そして「フリースタイルダンジョン」と、メディア・コンテンツとして採用された事で大きな注目を集め、爆発的にラッパーへの参入者を増すキッカケとなっているフリースタイル/MCバトル。

ブームと言っても過言ではないこの現象だが、そのシーンの中でも「King Of Kings」や「UMB」「ENTER」などと並ぶ屈指の規模を誇るバトルが「戦極MC Battle」。
そして現在は「戦極」の開催の他、バトルでの全国ツアーの開催、「ダンジョン」において般若の通訳(?)を務める山下新治 a.k.a ACEやMOL53、田中光などバトルでも活躍するラッパーのマネージメントなど、バトルを取り巻く環境を整備しているのが、「戦極」を主宰しているMC正社員である。
年間で400試合近くのバトルを見るという、日本でも屈指のバトル・アーカイバーでもある彼に、バトルの魅力を語り下ろして貰うこの企画の一回目は、まずはバトル解説に入る前に、彼の来歴について話して貰う事にしよう。

元々、日本語ラップ・リスナーで、ラップもやってたんですけど、あまりクラブに足繁く通うよりも、基本的には音源を追いかけるタイプで。そんな中で「UMB2006」の予選DVD(「ULTIMATE MC BATTLE 2006 JAPAN TOURS ARCHIVE」)を買ったら、そこにはサイプレス上野とかダースレイダーさん、アルファのTSUBOIさんとか当時から有名な人も出たんですけど、PUNPEEさんとかDOTAMAさんみたいな、当時はまだ無名な、しかも見た目もいわゆる普通っぽい人も出てて、まずそこに驚いたんですよね。

2007年末に行われたG.K MARYANさん主催の「鉄則」のバトルにもPUNPEEさんや回鍋肉くんみたいな人が出てたんですけど、イヴェント的に周りはハードコア系の人が多かったのに、そこでバチバチにバトルしてる2人に衝撃を受けたし、終わった後、厳ついB-BOYに『超かっこ良かたっす!』って言われてるPUNPEEさんを見て、『これこそマイク一本で状況を変えるって事なんだ!』って思ったんですよね。

それと並行して、友達の結婚式の帰りに池袋の駅前でサイファーをやってる集団がいて、その輪に入ってたんですよ。スーツで(笑)。
その中に川越サイファーをやってるDAKAって奴がいて、彼のイヴェントにも呼ばれたんですよね。それでイヴェントを手伝ってくれって言われて、運営も手掛けるようになって。それが2009年の6月ぐらい。そこからブッキングとかプロデュースをやるようになって、既に行われてた「necoMCBATTLE」「戦慄MCバトル」にも関わるんですよね。その中でSKY-HIと崇勲をブッキングしてて、バトルもしてるんですよ、2人は。

その時、SKY-HIは八文字と戦ってるんですけど、『avexの金で鍛えられたラップはストリートじゃねえ』っていう八文字のディスに、『俺がストリートをバカにしてたらこんな場所に来てねえ』って返して、こいつスゲえなって。
「戦極」は「戦慄」を引き継いで2012年の1月に始めたんですけど、「MCバトルが来る!」なんて思ってなくて、むしろ「バトルはもう終わりでしょ」って空気の方が強かった。
でも、バトルは格闘技の試合と一緒で「その時一回きり」のものだから、絶対内容が変わるから飽きられる事はないし、音楽的に言えばセッションだし、戦う相手との因縁や歴史が物語るドラマ性もある。その意味では、日本人の好きなモノがつまってるですよね。
だから、いずれ絶対に注目されるっていう信念はあったんですよね。というかそう信じないとできなかった。そうしたら「高ラ選」が12年の7月に始まって、徐々に徐々にバトルに注目が集まるようになっていって。それで13年の12月に僕は会社を辞めて、会社として『株式会社戦極』を立ち上げたんですよ。

ここからは喩え話ですけど、12年の頃の「バトル」って、ヒップホップ国の端っこのMCバトル村で作られてる特殊な作物みたいになってたんですよ。その作物を都に持って行っても、みんな無視したり、こんなもの食えねえよ!って投げ捨てられたり。それで泥だらけになった作物を見て、作ってくれた崇勲とかアスベスト、NAIKA MCの顔を思い出して悔し泣きするしかなかった(笑)。そんな時にBAZOOKA!!!っていう全然関係ない国で、バトル村の作物を使った「高ラ選」って料理がいきなり大注目されて、MCバトル村にもやっと光が当たった訳で。だからもう「高ラ選」には感謝しかないし、それがなかったら、村は廃村になってたなって。

そして「フリースタイルダンジョン」が始まって、バトル村の作物をもっと多くの人が求めるようになって。僕自身バトルに関わる仕事も増えたし、ヒップホップ・ファン以外のお客さんも本当に増えましたね。
ダンジョンのモンスターとかチャレンジャーを題材にした二次創作の絵なんて昔だったら全然考えられなかったし、MCの力量を数値で分析するファンがいたり。バトル・イヴェント自体、月に都内だけで10本以上あるし、大きいバトルも毎月のように行われてる。サイファーやイヴェント内のバトルも含めたら、以前は全部フォロー出来るぐらいだったけど、今は到底ムリですね。

でも、バトルでMCたちがやってる事は実は何も変わってないんですよ。ただラップ・スキルとフロウを磨いて、全力で戦ってるだけ。だから、その面白さが生身のままで、やっと届いたんだと思いますね。

最終更新:9月22日(木)16時51分

AbemaTIMES

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