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<福岡・小5殺害>「被害者1人でも極刑に」 検察側求刑「性犯罪の前科」重視

西日本新聞 9月21日(水)10時48分配信

 「もはや、懲役刑による更生は期待できない」「遺族感情も峻烈(しゅんれつ)だ」-。福岡地裁小倉支部で20日に開かれた小5女児殺害事件の裁判員裁判。検察側は論告で内間利幸被告(47)に厳しい言葉を浴びせ、死刑を求刑した。殺人事件で被害者1人の場合、求刑が死刑のケースは少ないが、検察は小学生女児に対する性犯罪の前科があることを重視した。一方、弁護側は「極刑にするほど悪質ではない」と反論した。10月3日の判決で、裁判員は難しい判断を迫られる。

「性犯罪者プログラム」再犯防止へ課題は山積み 罪を自覚しない者も

 検察側は論告で、内間被告が他県で4件の性犯罪により有罪判決を受け、服役中に性犯罪防止のプログラムを受講し、出所後には警察や牧師と継続的にやりとりをしていた点を指摘。「更生の環境はそれなりに整っていた」とし、「いずれも全く効果がなく、むしろ犯罪傾向は悪質化している」と強調した。

 被害者が1人である点については、「結果の重大性や遺族感情などから死刑判決が出た例は複数ある」と過去の事例を紹介。「死刑を回避する事情はない」と断じた。

弁護側は「有期刑が相当だ」と主張

 これに対し、弁護側は「同種前科に基づく事実認定は慎重にするべきだ」と反論。「死刑は国家が国民を殺すことで、単純な判断は許されない。根拠の乏しい人格的評価によって誤った事実認定をしてはいけない」と述べた。仮に殺人罪が成立したとしても「有期刑が相当だ」と主張し、無期懲役も重すぎるとした。

 論告の間、傍聴席にはすすり泣く声が響き、裁判員は目元を拭いながら聞き入ったり、内間被告の表情をうかがったりした。被告は死刑求刑の瞬間も表情を変えることなく、うつむき加減でまばたきを繰り返した。

 最終陳述で法廷に立った内間被告は、消え入るような声で謝罪の言葉を口にし、裁判官や裁判員に向かって一礼。「被害者のご冥福を祈り続けることを、どうかお許しください」とつぶやくように言った。

=2016/09/21付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:9月21日(水)10時48分

西日本新聞

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