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台風16号上陸、大雨被害相次ぐ 列島“水浸し”

日本農業新聞 9/21(水) 7:00配信

 台風16号は20日、鹿児島県に上陸し、暴風域を伴って西日本の太平洋沿岸を東寄りに進んだ。鹿児島、宮崎、高知、徳島各県では猛烈な雨が降り、収穫を目前に控えた水稲や園芸用ハウス、農機が水に漬かるなど甚大な被害が出た。

田畑に土砂、流木 実りの秋控え落胆 宮崎

 宮崎県延岡市では、市内を流れる北川が氾濫。水かさは3メートルにも及び、収穫目前の水稲が冠水、倒伏した他、ハウスなども水に漬かった。同市北川町で水稲や野菜を栽培する黒田五司さん(64)は、稲刈り間近の水田1.8ヘクタールが冠水。種まきを控えたスナップエンドウのハウス10アール、露地野菜5アールも水に漬かった。「前を向いていくしかないが、ショックが大きい」

 地元のJA延岡は現状把握を急いでいる。20日午後からJA営農部と県の農業改良普及センターが連携して被害状況を調査。JAの施設には被害はなかったものの、広い範囲で水稲の冠水を確認した。

 20日朝までの24時間雨量が578ミリと観測史上最多を更新した宮崎県日向市。同市富高地区で米と野菜を作る鈴木一治さん(66)と妻の廣子さん(66)の田んぼには土砂や流木が流れ込んだ。「今年はね、ようできやったんよ」と廣子さん。倒伏した稲を起こしながら「もう駄目よ。このまんまでは。土砂やごみが流れ込んでコンバインも入れられない」。一治さんが嘆いた。

 JA日向営農企画課の徳田伸一課長は「早場米が多い地域だが、普通作の農家が受けた被害を思うと胸が痛い」と話す。

 定植を控えたイチゴの苗も打撃を受けた。同市の農家、原田昭男さん(57)宅では一晩で1万2000株の大半が流された。20日午後、雨が上がって畑に流れ込んだ土砂が乾燥して土ぼこりが舞う中、懸命に苗を拾い集めたが、苗が散乱し作業は難航。拾い集めた苗にも土がこびりついた。「JAからは、苗はもう使えないだろうと言われたが、諦めきれない」と妻の久美子さん(57)。

 観光農園を開くため建てたばかりのハウスも浸水。原田さんは「施設は無事だったが、育てる苗がない。やりきれない」と悔しそうに語った。(金子祥也、木原涼子、松本大輔)

農機が浸水被害 高知

 高知県のJA高知はた管内は非常に激しい雨が降り、低い土地の浸水や河川の増水、氾濫が相次いだ。20日午前8時に1時間に56ミリの激しい雨が降った四万十市では、四万十川や後川の増水で田畑やハウスが冠水した。

 四万十市古津賀で水稲11ヘクタールを栽培する東志行さん(53)は、稲は刈った後で無事だったが、農機が水に漬かった。「川からどんどん水があふれて乾燥機やコンバインが漬かった。これほどの被害は20年ぶり」と話す。

 土佐清水市では下ノ加江川の氾濫で水田が冠水、ハウス被害も10件以上あった。宿毛市ではオクラが倒伏、すれ果が出た。

日本農業新聞

最終更新:9/21(水) 7:00

日本農業新聞

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