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20~30代の“谷間”世代は麻疹に要注意

朝日新聞デジタル 9月21日(水)12時43分配信

【関口一喜 イチ押し週刊誌】

 関西・関東方面で広がっている麻疹(はしか)の感染者は、20代と30代が中心だ。『AERA』(9月19日号)は<“谷間”の若年層は要注意>と呼びかけている。「26~39歳は制度上、定期接種機会が1回であり、さらに接種率も低かった。すなわち免疫が十分でない“谷間”の世代」なのだ。
 2006年から1歳児と小学校入学前に公費で2度接種する制度が導入され、さらに07年に高校生・大学生に流行したのを受け、08~12年に中学1年生と高校3年生に接種が行われた。26歳以上は、これに間に合わなかった世代なのだ。一方40代以上は、麻疹は子どもの頃に誰もがかかる“普通の病気”だったので、多くの人が終生免疫(1度発症すると一生感染しない)を持っている。国立国際医療研究センター国際感染症センターの堀成美・感染症対策専門職も「これまでの流行では、感染者の多くは予防接種をしていないか接種歴がわからない人です」と話している。
 しかし、昨年3月、日本は世界保健機構(WHO)西太平洋事務局から「麻疹排除状態」と認定されたのではなかったか。ただ、このとき感染がなくなったとされたのは日本土着のウイルスで、今回の流行は海外由来のウイルスによるものだ。『AERA』によると「ことの始まりは、夏休みになったばかりの7月31日の関西国際空港」。この日に入国した人の中に感染者がいて、空港に居合わせた人や空港職員に移り、それが広がったらしい。
 とにかく、麻疹は感染力が強い。空気感染、飛沫感染、接触感染とどのようなルートからも移り、ウイルスは空気中を漂うので、すれ違っただけで感染してしまう可能性もある。感染すると100%発症し、感染の約10日後にかぜのような症状が出た後、発熱や発疹といった症状が出る。特効薬はなく、対症療法しかない。予防法はワクチン接種なのだが、乳幼児を優先しているため、今は断られるケースも出てきている。
 ただ、専門医に聞くと「慌てる必要はない」ということだ。海外に出かける予定の人、奥さんが妊娠している家族などは受けた方がいいが、その前に免疫を持っているかどうかをチェックする抗体検査を勧めている。抗体検査は内科、小児科、健診機関などで行うことができるが、健康保険の対象外なので3000~5000円ほどかかる。

(文 コラムニスト・関口一喜 / 朝日新聞デジタル「&M」)

朝日新聞社

最終更新:9月21日(水)12時43分

朝日新聞デジタル