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県内基準地価、広がる南北格差…人口動態と相関 大宮駅周辺の需要増

埼玉新聞 9/21(水) 10:30配信

 埼玉県は20日、土地取引の指標となる2016年度の県内基準地価(7月1日現在)を公表した。本年度の平均変動率は、住宅地がマイナス0・1%で、2年連続の下落。一方、商業地は0・2%、工業地は1・8%のプラスとなり、ともに3年連続で上昇した。平均変動率は、人口が増加している戸田市やさいたま市など県南部で上昇傾向、県北部や秩父地域で下落傾向が続いており、人口動態と同様、「南北格差」が広がっている。価格上位は県南西部の商業地が占める=別表参照。中でもJR大宮駅周辺の需要が高まる傾向を示している。

 県の地価調査を取りまとめた不動産鑑定士の山口和範氏は「住宅地は人口動態との相関が大きい。都心に近い県南に若い世帯が流入し、人口減少が続く県北部や秩父地域では、今後も地価下落が続く」とみている。

 調査は県内63市町村の775地点で実施。新規などの15地点と林地3地点を除く757地点のうち、202地点で上昇し、276地点で横ばい、279地点で下落した。

 住宅地の変動率上昇地点は151地点で前年度より6地点減少。商業地の上昇地点も2地点減の33地点だったが、下落地点も3地点減の33地点で、横ばいの割合が42%と高くなった。県内基準地価格の最高価格地点はさいたま市大宮区桜木町2の4の9(1平方メートル当たり193万円)で、29年連続のトップ。

 住宅地の平均変動率が上昇した市町村数は、前年度の16から18に増え、下落は45から42に減った。市区町村の住宅地で最も上昇したのはさいたま市浦和区で2・4%、商業地は同市大宮区で3・8%。 

 山口氏は「住宅地は浦和区の一人勝ち状態。湘南新宿ラインなど鉄道の利便性が浸透し、浦和駅や武蔵浦和駅周辺のマンションが活況」と分析する。一方、最も下落したのは住宅地、商業地ともに寄居町で、それぞれ3・0%、3・3%のマイナスだった。

 ただ、下落している地域にも、本庄早稲田駅の周辺や東松山市の高坂駅東口など、区画整理や大規模商業施設の建設により局地的な需要が見られるという。

 上昇率が高かったのは、(1)さいたま市大宮区桜木町2の4の9(6・0%、1平方メートル当たり193万円)(1)上尾市領家山下1152の33(6・0%、同3万8800円)(3)さいたま市大宮区宮町1の86の1(5・9%、同162万円)―など商業、工業地が上位を占めた。

 山口氏は「大宮駅の西口の需要が高まっている」とし、「雇用が増えて企業がオフィスの拡張や移転を求めており、空室率はリーマンショック以前に匹敵する低さ。新幹線網の充実により、大宮がビジネスの拠点となっている」と分析する。

 上尾市領家の上昇について、県土地水政策課は「もともと割安な土地で、圏央道と上尾道路の開通が影響した。連続して上昇はしないのでは」とみている。

最終更新:9/21(水) 10:30

埼玉新聞