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東京製鉄、10月販価全面値下げ。3000~7000円幅

鉄鋼新聞 9/21(水) 6:02配信

 東京製鉄は20日、10月契約の鋼材販売価格を全品種で前月比トン3千~7千円引き下げると発表した。全面値下げは3月契約以来7カ月ぶり。条鋼、鋼板とも在庫水準が低く、市中の荷動きも回復傾向にあるため「夏場あたりで大底圏に入った市況は今後、好転が期待できる」(今村清志常務営業本部長)との認識を示した。その上で「これまでのジリ安局面の中で、当社の販売価格が現状の市場実態と離れていた。今回の修正値下げで“出直しの販価“とすることで、市況の底入れを明確化させたい」(同)とした。

 同社では引き続き需要見合いの生産により需給調整に努める考え。
 各品種の下げ幅は、H形鋼と縞H形鋼、I形鋼、溝形鋼、異形棒鋼、U形鋼矢板がトン7千円、カットシート(熱延鋼板、縞鋼板、酸洗鋼板)が同5千円、ホットコイルと縞コイル、酸洗コイル、溶融亜鉛メッキコイル、厚板、角形鋼管が同3千円。主力品種の販売価格(ベースサイズ)は、H形鋼がトン6万5千円、ホットコイルが同5万円、厚板が同6万円、異形棒鋼が同4万7千円。
 H形鋼は2012年8月契約以来4年2カ月月ぶりの安値。
 物件対応や在庫品の販売価格は、H形鋼をトン6万7千円、異形棒鋼を同4万8千円、厚板を同6万2千円として20日午後から受注を始めた。
 同社は今年3月契約で「マーケットの実態に販価を合わせる」として全品種でトン3千~7千円の販価引き下げを実施。その後、4月契約で異形棒鋼のみトン2千円の値上げを行い、5月契約では同3千~7千円の全面値上げに踏み切った。6月契約では異形棒鋼のみ3千円追加値上げしたものの、期待された需要は出遅れが続き、同社が販価を据え置く中で市況はジリ安局面となっていた。
 今回10月契約でも再び「現状のマーケット実態に合わせる」として全面値下げした格好だが、今村常務は「足元の市況には“これ以上下がらない“という価格の下方硬直性が出てきている」と指摘し、修正値下げの時期としても「良いタイミングだ。市況の底入れで今後の値上げが視野に入れられれば」と語った。
 また、各品種の下げ幅については「3千~7千円と幅が広いため、さまざまな意見はあるだろう。当社の狙いとしては現状のマーケットの下限から上限の中に販価を合わせた。下げ幅としても妥当だと考えている」とした。
 同社の輸出商談に関しては、ホットコイルがFOB470~490ドル、H形鋼が同490~510ドルとした上で「やや頭打ち感があり弱含みの状況。成約は難しくなっている」(同)と述べた。
 鉄スクラップ価格の動向については、米国など海外市況の下落に加え、中国製ビレットの価格下落などの影響もあり「やや天井感がある」(同)との見方を示した。
 9月の生産量は16万5千トンを予定。うちH形鋼8万5千トン、ホットコイル4万5千トン(うち輸出1万2千トン)、厚板1万5千トンの見通し。

最終更新:9/21(水) 6:02

鉄鋼新聞