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迷走もんじゅ運転わずか250日 臨界から22年国費1兆円、フル出力なし

福井新聞ONLINE 9月21日(水)18時8分配信

 日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)は、1994年4月5日の初臨界から22年が経過した。もんじゅと名付けられてから46年になる。発電しながら消費した以上のプルトニウム燃料を生み出す「夢の原子炉」といわれたが22年間での運転期間の累計はわずか250日。電気出力28万キロワットの能力がありながらフル出力の運転実績はない。これまで1兆円超の国費が投じられてきたものの、事故や不祥事で迷走を続け、「安定した発電の技術的な実証」という原型炉の目的を果たせぬままにいる。

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 この22年、ほとんど稼働できなかった最大の原因は、初臨界から1年8カ月後の1995年12月に起きたナトリウム漏れ事故だ。出力40%段階の試運転中に2次冷却系配管の温度計さや管1本が折れ、ナトリウムが漏れて出火した。ナトリウムの危険性が社会に衝撃を与え、さらに当時の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の現場映像を意図的に編集した「ビデオ隠し」や虚偽報告が発覚。事故は事件になった。

 「技術的に重大事故ではなかったが、政治的、社会的な問題があり、本来の技術的な解決に向かえなかった。もんじゅは国家プロジェクトで象徴的な存在だったため、原子力政策も大きく揺さぶられた」。動燃時代から携わってきた向和夫・元もんじゅ所長は2014年に当時を振り返っている。

 もんじゅは改造工事が行われ10年5月に運転再開にこぎつけたものの、約3カ月後には原子炉容器内に炉内中継装置が落下するトラブルを起こし再び運転再開ができなくなった。東京電力福島第1原発事故後も1万点を超える機器の点検漏れ問題が発覚した。

 規制委は13年5月に事実上の運転禁止命令を出したが、その後も管理ミスが相次ぎ、15年11月4日、運営主体として日本原子力研究開発機構は「不適当」と断じた。13日には、運営主体である日本原子力研究開発機構について「運転を安全に行う主体として必要な資質を有していない」として、別の運営主体を見つけるよう、馳浩文部科学相に勧告した。その後、回答期限の目安となる「半年」を過ぎても新たな運営主体が決まらず膠着状態が続く中、政治判断で決着しようとしている。

福井新聞社

最終更新:9月22日(木)8時50分

福井新聞ONLINE