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「成長早くなる」日本初、酸素の気泡でアワビ陸上養殖 北九州の水産会社が挑戦

西日本新聞 9月21日(水)11時23分配信

 水産物仲卸会社の丸福水産(北九州市小倉北区西港町)が今秋、1万~2万分の1ミリという微細な酸素の気泡「酸素ナノバブル」を使ったアワビの陸上養殖事業を若松区で始める。日本で初めてのナノバブル発生装置を使ったアワビの陸上養殖といい、同社は「北九州市の水産業振興にも貢献したい」と意気込んでいる。

【画像】丸福水産がアワビの陸上養殖事業を予定している市有地

 陸上養殖を始める地は、長く未利用になっていた若松区有毛の市有地。6~7月に行われた市の公募で選ばれ、借用が決まった。10月ごろから2588平方メートルの敷地に建設を始め、12月から飼育をスタート。来年中の初出荷を目指す。2~3年後には年間6トンを出荷する計画だ。

出荷まで3~4年が、ナノバブルを使えば1年で成長

 成功の鍵を握るのが、丸福水産の子会社で産業機器の製造・販売を手掛ける「ナノクス」(同町)が開発したナノバブル発生装置。死んだ魚の酸化を防ぎ鮮度を保つため窒素バブルを発生させ水中の酸素を取り除いたり、養殖の効率を高めるため酸素バブルを発生させたりする機械だ。

 丸福水産は数年前からは広島県尾道市の業者と協力し、瀬戸内海で酸素ナノバブルを使ったヒラメやオコゼなどの養殖を始めた。「酸素を与えることでエサを食べる量が増え、成長も早くなることが分かった」と勝田潤一社長(60)。海外からも引き合いがあるという。

 ナノクスはこれまで養殖事業者向けに発生装置の販売に力を入れてきたが、アワビ養殖の実証実験でも成長が早まることが分かり、丸福水産が事業化を決めた。アワビは通常、出荷まで3~4年かかるが、ナノバブルを使えば1年で殻の長さが出荷可能な9センチまで成長するという。

「『取る漁業』から『育てる漁業』へ」

 敷地には地元の漁業者向けに、水揚げされた水産物を短期間蓄養し、出荷調整をする「蓄養棟」も建設。飼育棟から排出されるナノバブル水を活用する。将来は市内の漁業者向けに、陸上養殖の技術移転も検討している。

 ナノクスの米澤裕二常務(51)は「初めての取り組みなのでリスクもあるが、目標通り1年間で出荷させたい」。丸福水産の勝田社長は「安心・安全なアワビを安価に供給したい。北九州では漁獲量の減少が続いており、『取る漁業』から『育てる漁業』への転換を支援できれば」と意欲を語る。

西日本新聞社

最終更新:9月21日(水)11時23分

西日本新聞

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