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EXILE TRIBE総出演の映画『HiGH&LOW』、“サブカル層”からも支持された理由は?

トレンドニュース(GYAO) 9/21(水) 14:14配信

映画『HiGH&LOW THE MOVIE』が不思議な盛り上がりを見せている。同映画は、日本テレビとLDHが共同で立ち上げた総合エンタテインメントプロジェクト『HiGH&LOW』の一環として制作されたもので、岩田剛典やTAKAHIRO、登坂広臣といった人気メンバーたちが総出演し、LDH所属アーティストによる楽曲がふんだんに使用されているという、どう見ても“ファン向け”な作品だ。

HiGH&LOW THE MOVIE 劇場予告編>>

しかし公開されているうちに、なぜかアニメ・漫画ファンを始めとしたいわゆるサブカル層からも次第に注目を集めていった。ついにはアニメ映画などで大流行中の“応援上映”も実施され、逆にそちらになじみのないもともとのEXILE TRIBEファンが「これは何?」と戸惑うという珍事が起きた。また映画好きからは知られた存在である、映画評論家でもあるヒップホップグループ・RHYMESTERの宇多丸がパーソナリティーを務めるラジオ番組で特集されるという快挙も成し遂げた。一体なぜ『HiGH&LOW THE MOVIE』は、EXILE TRIBEファン以外からの支持を得ることができたのだろうか?

■2カ月以上にわたるロングラン上映作品に成長

『HiGH&LOW』シリーズは、「山王連合会」「White Rascals」「鬼邪高校」「RUDE BOYS」「達磨一家」という5つのチームが拮抗(きっこう)する「SWORD地区」をめぐる青春バトルアクションで、ドラマ20話を経て満を持して公開された『HiGH&LOW THE MOVIE』は、かつて一帯を支配していた伝説のチーム「ムゲン」の総長・琥珀(AKIRA)が「SWORD地区」に戻ってきた……というところから始まる。

7月16日より公開開始されて、始めのうちはEXILE TRIBEファン以外が話題に上げることは、ほとんどなかった。しかし上映も終わりに向かいつつある8月下旬から口コミで火が着いて上映期間はじわじわと伸び、現在に至るロングラン上映作品となっている。

■「ジャパンアクションアワード」で3冠達成したアクション

同映画がEXILE TRIBEファン以外からも話題を呼んだ大きなポイントは、アクションシーンにある。映画『るろうに剣心』のアクションコーディネーターも務めた大内貴仁がアクション監督を担当しており、ただ殴り合うだけではなく、投げ技、締め技に加えてパルクール(障害物によって動きを途切れさせることなく目的地に到達することを目指すスポーツ)やブレイクダンスを取り入れたトリッキーな動きと、視覚的に飽きさせないアクションシーンが実現している。とくにクライマックスの100対500の大乱闘シーンは邦画史に残るスケールだろう。

演技経験は少なくとも、身体能力に優れたEXILE TRIBEメンバーだけあって、アクションのキレは申し分なし。ドラマ版が日本俳優連合のアクション部会が主催する「ジャパンアクションアワード」でベストアクション作品賞、ベストアクションシーン賞、大内がベストアクション監督賞を受賞するという3冠を達成したこともあり、アクション映画好きからは一目置かれる作品となった。

■まねしたくなるセリフがTwitterで広がる

しかし、『HiGH&LOW THE MOVIE』が、アニメ・漫画ファンたちにも届いた最大の要因はTwitterとの親和性の高さにあるだろう。「どうしちまったんだよ、琥珀さん!」や「SWORDの祭りは達磨通せや」といった印象に残るセリフは、ついまねしたくなる響きがあり、同映画を鑑賞した者が劇中のセリフをツイートすることで、まずセリフが広がっていった。

また「100発の拳を受ける荒業を学校の歴史上初めて耐え抜いた番長」「病におかされたスラム街のリーダー」などのキャラクター設定は、2次元的な魅力にあふれている。筆者も現時点で3回鑑賞しているが、『HiGH&LOW THE MOVIE』は説明不足だったり腑(ふ)に落ちない部分も多い作品ではある。だが、まずアクションとキャラクターによって同映画に魅了された人々は、そういった点をむしろ“考察すべき箇所”としてポジティブに受け止めて、Twitter上では「ヤマトとコブラはどちらが強いのか?」といった議論が活発に行われた。

■応援上映は追加実施も決定

劇中のセリフをまねたツイート、良い意味でのツッコミどころの多さによって盛り上がり、Twitterとの結びつきが強いアニメ・漫画ファンたちサブカル層にも届いた同映画は、ついに“応援上映”も実施されるに至った。

こちらは観客がペンライトやウチワを持って映画を見ながら発声してもいいというイベント。これまで『KING OF PRISM by PrettyRhythm』や『シン・ゴジラ』、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などアニメ・漫画好き、サブカル層からの評価が高い作品で行われてきたため、そういった人々にとっては周知のものだろう。とはいっても上記のような作品に興味がない人々にとってはまだ耳慣れない存在であるだけに『HiGH&LOW THE MOVIE』公式サイトで9月6日に応援上映の実施が発表された際は、同映画からの新規ファンが大喜びする一方、もともとのEXILE TRIBEファンが「応援上映とは何か?」と戸惑う珍事が発生。困惑するEXILE TRIBEファンにより、一時はTwitterで「応援上映」と検索をかけると、第2ワードとして「なに」と表示される事態となっていた。なお応援上映は盛況に終わり、9月24日の追加実施も決定している。

■『HiGH&LOW』きっかけにライブにも参加

さらに同映画の盛り上がりは、映画評論家でもある宇多丸がパーソナリティーを務めるラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の 9月17日放送回で特集されるまでに至った。宇多丸は、応援上映でのファンの秀逸な“愛にあふれたツッコミ”をいろいろ紹介した上で、「単体の作品としてはダメダメなところが多いからこそ、ファンの参加意識が生まれる余地がある」と分析していた。

LDHでは、三代目J Soul BrothersやE-girlsも出演する『HiGH&LOW』の世界観を表現した全国ドームツアー『HiGH&LOW THE LIVE』を開催中だが、映画のヒットによって、普通であればEXILE TRIBEに興味を持たないような中年男性やアニメアイコンのTwitterユーザーまでライブに足を運んだことを報告している。

メジャーグループの宿命か、これまでマニアックな作品を好むような人々からは何かと揶揄(やゆ)されがちだったEXILE TRIBEだが、ここに来て新たなファン層を開拓するのに成功したようだ。なお10月8日には新作映画『HiGH&LOW THE RED RAIN』の公開も控えている。

(文/原田イチボ@HEW)

最終更新:9/21(水) 14:14

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