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シリア人道援助車列攻撃はロシアの責任と米政府 ロシアは否定

BBC News 9月21日(水)10時42分配信

シリア・アレッポ西部に人道援助物資を運ぼうとしていたトラックの車列が19日に攻撃され、大勢が死亡した問題で、米政府は20日、「とてつもない人的悲劇だ」と述べ、責任はロシアにあると非難した。一方のロシアは関与を強く否定している。

米政府筋はBBCに、人道支援物資を運んでいた車列を空爆したのは、ロシア軍機2機だったと話した。ウルム・アル・クブラ町で車列が攻撃されたちょうど同じ時に、ロシアのSu-24機2機が上空にいたという。

米政府筋は、車列への空爆は、シリア軍が実行するには複雑で精緻過ぎたと指摘した。

ホワイトハウスのローズ大統領報道官はこの後、「攻撃を実施し得たのは、シリア政権かロシア政府しかない。いずれにしろ、我々はこの地域における空爆の責任はロシアにあると認識している」と述べた。

一方でロシア国防省は、ロシア軍もシリア軍も関与していないと強く主張し、車列を攻撃したのは空爆ではなく地上からだとの見方を示している。

ロシア国防省は、「地面に穴が開いていないほか、車体の外には、空からの爆弾投下による爆発でできるような損傷がない」と指摘している。

さらにロシア外務省報道官は、米政府の主張には事実の裏付けがなく、「我々は本件に何のかかわりもない」と反論した。

国連は両国の反応に先立ち、車列攻撃が「実際に空爆によるものか断定する立場にない」と表明していた。

シリア赤新月社によると、人道物資を運んでいたトラック31台のうち18台が破壊され、赤新月社幹部を含む民間人約20人が死亡したという。

攻撃を受けて、国連はシリア国内での援助物資輸送を全面停止した。

ペーター・マウラー赤十字国際委員会(ICRC)総裁は、「はなはだしい国際人道法違反だ」と非難し、戦争犯罪に相当する可能性があると糾弾した。

今月12日から1週間ほど続いた戦闘停止の合意において、包囲地域に人道支援物資をいかに届けるかは重要な要素だった。

シリア政府は車列攻撃の数時間前に、停戦終了を宣言。米ロが仲介したこの合意を立て直そうと、米ニューヨークでは外交交渉が続いている。

米ロと国連を始めとする20以上の国及び国際機関で構成される「国際シリア支援グループ」の会合後、ケリー米国務長官はロシアのラブロフ外相と共に会見し、停戦合意は「死んでいない」と述べた。

支援グループは23日に改めて会合を開く予定。国連安全保障理事会も21日、シリアに関する高官級会合を開く。

国連の潘基文事務総長はこれに先立ち、国連総会を前に、5年間のシリア内戦で民間人を一番殺害したのはシリア政権だと非難。事務総長はさらに異例ともいえる直接的な表現で、内戦の双方を支援するすべての勢力について「その手は血で濡れている」と糾弾した。

(英語記事 Syria conflict: US 'holds Russia responsible' for deadly aid attack)

(c) BBC News

最終更新:9月21日(水)12時20分

BBC News