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ITで児童見守りが拡大 神戸女児殺害事件2年

神戸新聞NEXT 9月22日(木)7時30分配信

 神戸市長田区の小学1年、生田美玲さん=当時(6)=殺害事件から2年。兵庫県内では、ITを活用し子どもたちの登下校や下校後の行動を保護者に知らせる民間の見守りサービスが広がっている。身に着けたICタグ(電子荷札)で校門を通過したことをメール配信したり、スマートフォンのアプリを通して保護者に居場所を知らせたりするなど、“人の目”を補う防犯対策が進化しつつある。

 阪神電鉄のサービス「登下校 ミマモルメ」は、ICタグを身に着けた児童が校門を通ると、保護者にメールが届く。学校には読み取り機などが設置され、保護者が個別に同社と契約。有料(入会金2572円、月額360円~)でサービスを受ける。

 同社によると、2011年4月の開始時は県内で52校だったが、現在は公立小学校全758校のうち273校が導入している。西宮市(41校)と芦屋市(8校)は全校で導入。尼崎市98%▽神戸市88%▽宝塚市83%と神戸・阪神間で普及率が高い。三田や加古川、姫路市でも導入している。

 三木市の一部の小学校では別の企業のサービスを利用している。

 下校後の行動を把握するサービスも始まっている。神戸市は今月、NTTドコモ(東京)のサービスの実証実験を2校で開始。小型の無線通信装置「BLEタグ」を子どもが身に着け、学校やコンビニなどに設置した検知機器を通過すると、保護者のスマホで居場所が確認できる。

 専用アプリをスマホにダウンロードした住民らと児童がすれ違うと、その場所が保護者に報告される。協力者が増えるほど行動が詳細に把握できる仕組みだ。

 対象校となった市立宮本小学校(同市中央区)のPTA会長入江正三さん(45)は「低学年の保護者が特に関心が高そうだった。どれくらい有効か見ていきたい」と話す。

(石川 翠)


地域の活動と併用を 防犯シンクタンク「ステップ総合研究所」(東京)の清永奈穂代表の話

 事件発生直後だけでなく、防犯活動を持続することは、隙を与えないというアピールになり抑止力になる。犯人がタグを破棄する可能性もあり、地域の見守り活動と併用していくことが望ましい。サービス導入が、地域全体の防犯意識を高める機運につながってほしい。


【神戸・長田の小1女児殺害事件】 神戸市長田区で2014年9月11日、生田美玲さんが学校から帰宅後に行方不明になり、同月23日、自宅近くの雑木林で遺体が見つかった。兵庫県警は24日に死体遺棄の疑いで、近くに住む無職君野康弘被告(49)を逮捕。神戸地検は殺人罪などで起訴し、16年3月、神戸地裁が死刑判決を出した。同被告側は控訴。

最終更新:9月22日(木)9時3分

神戸新聞NEXT