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「真田丸」と違う? オランダ商館員の見た大坂の陣 日文研確認

京都新聞 9月22日(木)10時30分配信

 京都市西京区の国際日本文化研究センター(日文研)は21日、大坂の陣などで混乱する江戸時代初期の日本の情勢についてオランダ人商館職員らが記録した書簡約500通をハーグ国立文書館の史料調査で確認した、と発表した。徳川家康と豊臣秀頼の戦いの様子や、焼き打ちに不安を募らせる庶民や経済情勢に関する記述もあり、研究者らは「近世日本の史料は大火などで焼失したものが多く、オランダに残る記録を補完的に活用することで、歴史をより正確にとらえることができる」と評価する。
■豊臣側、寝返り大名を石垣から突き落とす記述も
 2014年からオランダ・ライデン大と日文研のフレデリック・クレインス准教授が、東インド会社が長崎平戸に開いた商館の文書の調査に着手。1609~33年にかけて会社や商館、商務員らの間で交わされたオランダ語の往復書簡524通などを確認した。
 書簡には、幕府との商取引など日本の政治経済の状況が克明に記され、1614~15年の大坂の陣の情勢を伝えるものもあった。京や堺にいるオランダ商人たちは、家康が大坂城を攻めるために伏見や周辺に軍を配したことでまちが混乱に陥っていることを報告。また、夏の陣で豊臣側の大名数人が、家康に寝返るために城に火をつけたが、寝返る前に石垣から落とされて死んだことなど、日本の史料では確認されていない記録も見つかった。オランダ商館が家康に大砲を売り、その後も武器を献上した事実などもつづられている。
 こうした情報は大名や商人から収集したとみられ、明治~大正期に刊行された「大日本史料」などに和訳掲載されている記述もあるが、クレインス准教授は「一般の商人が実際の見聞に基づいて記録した臨場感のある内容。日本の史料では分からない部分も多くあり、今後の調査が楽しみ」と語る。
 見つかった書簡類は、欧米に点在する日本関連資料を調査する人間文化研究機構のプロジェクトの一環で翻刻と全文現代語訳を進めており、国内外での刊行を目指すという。

最終更新:9月22日(木)11時51分

京都新聞