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ウナギ稚魚、流通透明化へ規制強化 静岡県、次漁期から

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月22日(木)7時56分配信

 静岡県は、闇取引や密輸入などが指摘されるニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)の流通透明化に向け、規制の強化に乗り出す。正当な理由なくシラスウナギを所持、移動することを禁じ、違反者には稚魚漁に必要な採捕権を認めないなどの罰則を科す方針。29日の県海区漁業調整委員会に諮り、12月に解禁する次の漁期からの適用を目指す。

 シラスウナギの採捕に関する規則は、県が漁業調整規則内の「県内産うなぎ種苗に関する需給要領」などで定めている。県内で採捕されたシラスウナギは地元の組合以外に出荷できない決まりになっているが、公定価格よりも割高な“闇ルート”を通じて県外へ流出しているとの指摘が後を絶たない。全国的にも「流通するウナギの半数が違法な漁獲や取引を経ている」と訴える専門家もいる。

 県は「不適切な稚魚の持ち運びが不正を生んでいる可能性がある」として、既に県警とも協議し、正当な理由がないシラスウナギの所持や移動、他者への譲渡など「不正につながる動きを禁じる規定を作りたい」という。海区漁業調整委員会で需給要領などの規定内容を協議し、詳細な規則や罰則などについて決定する。

 漁獲量が激減しているニホンウナギは2014年、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種に指定された。24日から南アフリカで開催されるワシントン条約締約国会議の議案にならず、国際取引規制は回避されたが、不透明な流通を指摘する欧州連合(EU)がウナギ全種の資源調査を提案している。調査結果は、次回の締約国会議でウナギの輸出入を規制する根拠となる可能性がある。

 日本国内で流通するウナギの約半数は海外からの輸入。国際取引規制の影響は大きく、国を中心に流通の透明化と資源管理の徹底が進められている。



 <メモ>シラスウナギ 冬から春にかけ黒潮に乗って接岸し、川を遡上(そじょう)するウナギの稚魚。養殖を目的に採捕者が知事の許可を受けて漁を行う。不漁が続く近年は平均取引価格が1キロ(約5千匹)200万円を超えたこともある。水産庁が各都府県の報告を受けてまとめる全国の合計漁獲量は、国内養殖業者の池入れ量から輸入量を引いた数値の約半数。残りの一部は、闇取引など不透明な流通を経由している可能性がある。

静岡新聞社

最終更新:9月22日(木)18時47分

@S[アットエス] by 静岡新聞