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紀伊山中の「幻の五新線」など、土木遺産に選定

レスポンス 9月22日(木)9時45分配信

土木学会は9月20日、2016年度の「土木学会選奨土木遺産」が決まったと発表した。選定された24件のうち、鉄道関係では「旧国鉄五新線(未成線)鉄道構造物群」などが選ばれた。

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「選奨土木遺産」は2000年、土木学会が「土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資する」ことを目的に設立した認定制度。鉄道関係の構造物は「狩勝峠鉄道施設群」(北海道、2003年)や「梅小路機関車庫」(京都府、2004年)、「今福線のコンクリートアーチ橋群」(島根県、2008年)などが選ばれている。

今回選定された五新線は、和歌山線の五条駅(奈良県五條市)から奈良県南部の山岳地帯を縦断し、紀勢本線の新宮駅(和歌山県新宮市)に至る路線として計画された国鉄線。現在の五條市内である五条~阪本間のみ阪本線として着工した。しかし、過疎地を通る路線のため採算性が危惧され、国鉄は完成した路盤の一部をバス専用道に転用。鉄道としては幻に終わった。

現在は専用道経由のバスが一般道経由に変更されたため使われてないが、トンネルやアーチ橋などの施設はほぼそのまま残っている。土木学会は「紀伊山地を鉄道で貫く大構想に駈けた先人の志を未来に語り継ぎ、沿線住民にも親しまれている貴重な土木遺産」としている。

このほか、鉄道関係で選定された土木遺産は以下の通り。

旧網走線開業時の鉄道施設群(北海道)
磐越西線鉄道施設群(新潟県・福島県)
わたらせ渓谷鐵道関連施設群(群馬県・栃木県)
信濃川千手水力発電所施設群(新潟県) ※国鉄~JR東日本の発電所
向野橋(愛知県) ※トラス桁は京都鉄道(現在の嵯峨野観光線)保津川橋りょうからの転用
名古屋港跳上橋(愛知県) ※廃止された貨物線の橋りょう

《レスポンス 草町義和》

最終更新:9月22日(木)9時45分

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