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戦車・艦艇購入、麻薬取引、売春も… 世界各国でGDPかさ上げの動き

SankeiBiz 9月23日(金)8時15分配信

 世界経済がリーマン・ショック後の低成長に苦しむ中、各国に国内総生産(GDP)かさ上げの動きが広がっている。各国とも研究開発費や戦車、艦艇購入費の投資への加算を認めた新国際基準の導入を進めており、それぞれ名目GDPが1~4%ほど押し上げられる見通しだ。ただ、欧州では、麻薬取引や売春といった「地下経済」を取り込む動きもあり、やみくもなGDP拡大を疑問視する声も上がっている。

 世界各国が導入を進めているのは、国連が2009年に採択した算定基準「2008SNA」だ。

 日本は16年7~9月期のGDP改定値から採用。内閣府は今月15日、新基準の採用で、11年の名目GDPが491兆4000億円と、旧基準の471兆6000億円から4.2%加算されると発表した。導入済みの国で大きく増えたのは米国(3.0~3.6%)で、中国は7月、15年のGDPが1.3%上乗せされると明らかにした。

 押し上げの大きな要因は、付加価値を生む投資として重視されるようになった研究開発費が設備投資に組み入れられたことだ。

 このほか戦車などの防衛装備品を橋、道路と同じく公共投資に算入。防衛装備品分で日本は0.1%、米国は0.5%押し上げられるとみられる。

 内閣府は「冷戦後、戦争が起きにくくなり、艦艇などはすぐ使うものでなく、戦争抑止のため(公共インフラのように)長期間、使用するものという考えに変わってきた」としている。

 欧州で目立つのは違法な経済活動を算入する動きだ。もともと国連基準で算入が認められており、2014年、英国、イタリアなどが組み入れを表明した。英国は非合法分で0.7%押し上げられるとの試算もある。日本は算入していない。

 ユーロ圏各国は財政赤字をGDP比3%以内に抑える厳しい健全化目標があり、分母のGDP拡大で目標達成を容易にする狙いもあるとみられる。

 ただ、「生活の豊かさをはかるGDPに、違法な活動をどこまで含むのが許されるのか難しい問題だ」(第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミスト)。

 犯罪抑制がGDP縮小につながるという二律背反に欧州は直面しかねない。

最終更新:9月23日(金)8時15分

SankeiBiz

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