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ガスト×東映アニメーション『拡張少女系トライナリー』“実在”する少女たちを描く、ゲームとアニメのかつてない“融合”とは?【ガスト・土屋暁氏インタビュー】

ファミ通.com 9/22(木) 10:02配信

文・取材:編集部 川島KG

●“あなたの隣りにいる?少女たちを描くために
 ガストと東映アニメーション──ゲームとアニメの伝統あるブランドどうしが共同で立ち上げた、スマートフォンだからこそ実現する完全新作『拡張少女系トライナリー』。画面の向こうに“実在”するのは、特別な使命をもって戦う少女たち。ゲームとアニメの融合が描き出していく少女の“表と裏”を、スマートフォンのアプリひとつで楽しめる、“アニメクロスリンクRPG”だ。

 本作の原案とシリーズ構成などを手掛けている土屋暁氏は、これまでの作品において、とんでもなく奥深い世界観と、少女との次元を超えたコミュニケーションを描くことに心血を注いできたクリエイターである。東映アニメーションとタッグを組むことになった今回、その狙いと手応えをうかがった。

※インタビューの前半は、週刊ファミ通2016年9月8日発売号(第1報)の記事に加筆。後半は、東京ゲームショウ2016の会場にて、土屋氏への単独インタビューを実施。


かつてない境地を拓く“アニメクロスリンクRPG”

──これまで、独創的なファンタジー世界を描き続けてきた土屋さんですが、今回初めて、現代の日本が舞台になりましたね。

土屋暁氏(以下、土屋) はい。私の作品歴をご存じの方は意外に思われるかもしれないですけれど、自分の中では筋道のあるチャレンジになります。これまでは、ファンタジーの世界にいる女の子と、現実の世界にいるプレイヤー自身が端末を介して、“平行世界に実在”する相手と仲を深める楽しさを追求してきました。すなわち、ファンタジーと現実の比率がある意味では半々だったわけですが、つぎの作品では、向こう側の世界も現実により近づけてみたいと考えたんです。環境、価値観の近い世界にいる者どうしがつながることで、相手に共感したり、反対に自分を理解してもらえる場面も増えるでしょうし、その積み重ねが、これまでも大切にしてきた“あなたの隣りにいる”感覚をいっそう強くするのではないかと。

──さらに本作では、ゲームとアニメの新たな“融合”も打ち出そうとしています。ゲームの要所でアニメが挿入されるようなスタイルとは一線を画すのですよね。

土屋 本作は、ゲームアプリであると同時に、完全オリジナルアニメの無料ビューアーでもあります。たとえばの話ですが、アニメのメインストーリーで少女が傷ついたり、悩んだりした翌日に、ちょっと元気になった様子が見られたとしましょう。「前日の夜に何かあったのかな」などと幕間を想像してみるのは、映像作品のひとつの楽しみかたですよね。そして、前日の夜に少女を元気づけたのは、彼女がスマートフォンを介して交流した相手だったのかもしれません。アプリ内で毎週配信されるアニメだけを観れば、戦う少女たちのストーリーとして楽しむこともできますが、ゲームで交流する少女の素顔と本心に触れると、感情移入もいっそう深まるでしょう。アニメで描かれるストーリーの幕間に介入し、戦う少女たちと交流できる、これまでにない試みとなるのが本作のゲームアプリです。

 
──東映アニメーションさんとは、どのような経緯でタッグを組むことになったのですか?

土屋 前作を開発していたとき、東映アニメーションの方とご縁があり、個人的に交流していた中で、つぎはいっしょにおもしろいことをしよう! という話に花が咲いたんです。

本川耕平氏(以下、本川) 今回、声優のキャスティングや、アニメ制作のプロデュースなど、弊社が得意とする分野で密に連携しております。本作ならではのクリエイティブに欠かせないアニメを実現するなら、どのような布陣で制作すればいいか。声優も、演技力や歌唱力など、どんなところを重視して決めるべきか。本作は、弊社としても魅力的な試みで、だからこそ気合を入れて臨みたいと思い、現場が存分にクリエイティブを発揮できる環境を整え、支えることに注力してまいりました。

──アニメの仕上がりはいかがですか?

本川 現在、第1話が完成し、それに続くエピソードを鋭意制作中ですが、我々としても自信をもってお届けできる手応えを感じています。アニメ制作を手掛けているfeel.さんは、女の子たちをかわいらしく描き、その背景をしっかり作ることにも長けているので、まさに期待していた以上の仕上がりになるかと思います。

土屋 トライナリーのキャスティングに関しても、作品のことを心から好きになってくれる人にお願いしたい、なおかつ実力がともなった、とりわけ歌唱力の高い人に命を吹き込んでほしいという自分のこだわりは、本作でも貫きました。選考にはかなりの力を入れまして、その甲斐もあり、現在進めている音声収録では、皆さんのすばらしい演技と歌声に日々感動しています。今回も“歌”が重要で、自分は毎日ヘビロテで聴くくらい気に入っているので(笑)、ぜひご期待ください。

→次ページ……【【キャラクターデザイン、音楽について】】


実力と個性を重視したデザイナー陣

──キャラクターデザイナーの起用に関しても、同様に実力を重視されたようですね。

土屋 まさにその通りです。女の子をかわいく、カッコよく、さらにはメカニカルなデザインも描ける人に頼みたいという、求める条件がかなり多い企画だったのですが、necoさんとお仕事をごいっしょすることができて、本当にありがたく思っています。ゲームのキャラクターデザイナーとしては新鋭の方ですが、稀代の才能を感じます。それから、“スペシャルクラン”(こちらのページを参照)のデザイナーを決めるにあたっては、川島さん(ファミ通編集者の川島KG)にご協力をお願いしました。

──そして、このインタビューも僕(川島)が行っているという(笑)。一部の方を除き、僕が作家さんの選定とやり取りを担当させていただきましたが、皆さんからデザインが届くたびに、「おおっ!」、「なるほど、そうきたか!」など、テンションが上がってきますね。

土屋 こちらも本当にありがたいです。皆さんの発想を受けて、スペシャルクランの背景がさらに膨らんだり、深みが生じることにもなりました。今回お披露目した2体のスペシャルクランも、設定をもとに作家さんがセンスを発揮してくださり、拝見して私も刺激を受けました。今後ご紹介していくスペシャルクランも、ご覧になった方がどう感じてくださるか、楽しみですね。クランの詳細も含め、続報にご注目いただけると幸いです。


スマホの、そして“作品”の可能性を切り拓く

(※以下、東京ゲームショウ2016の会場にて)
──9月初めに本作が発表となり、単刀直入に言ってしまうと、家庭用ゲーム機向けの新作を期待していた一部のユーザーからは「スマホかぁ」という声も当初こそ見かけましたが、週刊ファミ通の第1報や、アニメ試写会(オフィシャルリポートはこちら)の感想などが広がるにつれて、期待度の高まりを感じています。

土屋 うれしいです。ありがとうございます。本作は、スマートフォンだからこそ実現する完全新規のプロジェクトですので、その楽しみどころをこれからもどんどんお伝えしていきたいと思います。

──試写会でお披露目されたアニメの第1話は、作画のクオリティーもさることながら、個人的にはやはり音楽が良くて、気持ちが高まりました。

土屋 はい、私もです(笑)。今回、中塚武さん(シンガーソングライター、サウンドクリエイター)に音楽をお願いしまして、トレンディかつスタイリッシュな作風をいかんなく発揮していただきました。ボーカル、スキャットを駆使した、想像以上にオシャレな楽曲を作ってくださり、私はそれこそ仕事中もヘビロテで聴いています。

──それから、アニメのオープニングやエンディングはキュートでポップな“日常系”なのに、本編はじつに濃密に“戦う少女”たちを描いていくという、そのコントラストも独特ですね。

土屋 確かに、アニメの本編だけを観ると“戦う少女”系かもしれませんが、ゲームアプリを含む『拡張少女系トライナリー』全体としては“日常系”ではないかと思いますよ(笑)。本作は、興味を持ってくださった方がすんなり楽しんでいただけるような敷居の低さを大切にしつつ、もっと楽しもうと思えば、いくらでも掘り下げられる奥深さも用意しています。たとえば、オープニングのテーマ曲に関して言うと、まさに日常系らしいスイートな歌詞でありつつ、ストーリーを知ったうえで改めて聴いてみると、「この言葉は何かの暗喩ではないか?」など、いろいろと解釈を広げることもできるような曲になっています。そうしたうえで、まずは、とっつきやすい日常系の作品として楽しんでいただきたいというのが、いちばんの願いです。

──なるほど。僕は試写会でアニメを観るよりも先に、ゲームアプリのほうを体験させていただきましたが、こちらはまさしく日常の彼女たちと触れ合うことがメインですね。本作が示さんとする、アニメとゲームの“融合”とはどういうものかを感じ取っていくにあたり、第1話ではアーヤとの交流がわかりやすい例かなと思いました。

土屋 ほうほう。

──個人的かつ単純な理由ですけれど、ゲームで交流するアーヤは、年頃の女の子らしい表情を僕(プレイヤー)だけに見せてくれますが、アニメで描かれる彼女は、トライナリーのリーダーとして凛とした雰囲気を崩さない。そんな彼女を見ると、「昨夜は僕にあんな顔を見せていたくせに、澄ました顔しやがって……」と、ふたりだけの秘密を知っている心地がして、何だか嬉しくなってくるわけですよ。ほかにも理由はいろいろありますが!

土屋 (笑)。そのような感じで、皆さんがお好きなように楽しんでいただけたら本望ですね。本作は、アニメとゲームが“関連商品”や“スピンアウト”といった関係ではなく、どちらも欠かせない要素となって『拡張少女系トライナリー』というひとつの作品を構成していきます。最近、トライナリーのメンバーたちがツイッターを始めましたが(※事前登録受付のページに一覧あり。特典つきのフォローキャンペーンも実施中)、ここからも、“実在”する彼女たちのことを知っていただけるかと思います。アニメ、ゲームともに鋭意制作中ですので、どうぞご期待ください。

──楽しみにしています!

(C)コーエーテクモゲームス・東映アニメーション
※画面は開発中のものです。

最終更新:9/22(木) 10:02

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