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富士フイルムの中判ミラーレスカメラ「GFX」詳報

Impress Watch 9月22日(木)10時50分配信

富士フイルム、中判ミラーレスカメラシステム「GFX」を発表

既報の通り、富士フイルムはフォトキナ2016に合わせて中判ミラーレスカメラシステム「GFX」の開発を発表した。ここでは現地で行われた日本のプレス向け説明会での様子を中心にお伝えする。

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GFXの第1弾となる「FUJIFILM GFX 50S」は2017年初期に発売予定。価格は未定だが、1万米ドル以下とアナウンスされている。

説明会ではプロトタイプの実働モデルが登場し、実際の操作を行うことができた。今回は開発発表のため、詳細なスペックは未定。今回明らかになっている仕様が変更になる可能性もある。

発表会には開発の関係者が列席。GFXの商品企画を担当した大石誠氏は、「予想以上に良い反応をいただいて、我々自身も興奮しているところです」と話した。

同社ではこれまでミラーレスカメラ「Xシリーズ」にAPS-Cサイズ相当のイメージセンサーを搭載してきたが、「どうしてもXシリーズではカバーできない領域があった。コマーシャルやファッションなどトップエンドでは我々のAPS-C機では不十分な所もある。ブランド力を強化するためにもトップエンドの画質競争にチャレンジしたい」と大型イメージセンサー搭載機開発の背景を説明した。

同社では、こうした用途の場合APS-Cサイズ相当のイメージセンサーでは画素数やレンズの性能から物理的に画質の限界があると判断し、高速・機動性と高画素の両立を目指してGFXを開発したとする。「GFXは究極の静止画を撮るためのシステム」(同社)。フルHD動画には対応するが、4K動画は見送るという。

GFX 50Sには、35mmフルサイズの約1.7倍の面積となる43.8×32.9mmのセンサーを搭載する。画素数は有効5,140万画素。レンズの画角を35mm判に換算するには、実焦点距離に0.79を乗じる。

今回、Xシリーズで採用してきた独自のX-Trans CMOSセンサーではなく、ベイヤー配列のセンサーを採用した。理由は、「このセンサー、画像処理エンジン、レンズを使えばX-Trans CMOSセンサーを使わなくても目指す画質が実現できる」ためという。

イメージセンサーは社外品だが、シリコンプロセスやオンチップレンズなどをカスタマイズしたものとなっており、こうした用途のカメラで重要なISO100への対応も行っているとのことだ。

GFXの画質設計コンセプトは「リアルで自然な画づくり」。画像処理による強調を抑え、後加工耐性の高い画質にしたという。

デザインのコンセプトは、「二面性を高いレベルでバランスさせたデザイン」とした。これは、「X-T2などのデザインなどを継承しながらも、新システムとしての存在感を出す」、「アクセサリーによって、コンパクトなシステムとフル装備のシステムを使い分けられる」、「ダイヤルによる操作系を採用しながらも、上面のサブLCDに情報を表示する」といった仕様に反映されている。

上部のサブLCDは、電源を切っても表示が消えない仕様となっている。これは電源OFFでもカメラの状態がわかるようにするため。パネルは液晶だが、消費電力は極めて少ないという。

いわゆる反転表示を採用している。このパネルは屋外でも見やすいとのこと。バックライトも装備する。

本機はEVFが着脱式になっている。EVFにはアイセンサーが付いており、覗くと液晶モニターと表示を切り替えることもできる。着脱式のファインダーにすることは、開発のかなり早い段階で決めたという。

EVF単体では可動はしないが、チルトアダプターを間に挟むことでチルトや回転が可能となる。

なお、EVFを外した際にEVF装着部に付けるカバーも用意される。

GFXが採用する「Gマウント」は、マウント径65mm、フランジバック26.7mm、バックフォーカス16.7mm。一眼レフのシステムよりもバックフォーカスが短いと、特に広角レンズの設計では自由度が増すメリットがある。

また本機の特徴の1つに、フォーカルプレーンシャッターを搭載していることが挙げられる。中判カメラに多いレンズシャッターに対して、より高速なシャッター速度を実現できる。本機では最高1/4,000秒となっている。一般的なレンズシャッターは最高で1/500秒といったものが多い。

一方、フォーカルプレーンシャッターのデメリットは最高シンクロ速度がレンズシャッターよりも遅いこと。本機の最高シンクロ速度は1/125秒だが、レンズシャッターは全速同調するため、例えば1/500秒などとなる。

その点を考慮し、GFXはレンズシャッターにも対応できるようになっているという。同社では現時点でレンズシャッターのレンズやマウントアダプターは計画していないが、規格をオープンにするため他社から出た場合は対応できるとする。「他のメーカーともディスカッションをしていきたい」(同社)。

富士フイルムではミラーレスカメラのメリットとして、撮影時に発生するクイックリターンミラーによる振動が無いことを挙げている。また、シャッターによる振動も画質に影響を与えることがあるというが、GFXではシャッターの振動も軽減する設計を採用し、さらにカメラ自体も振動を抑えられるようにした。「1画素1画素が解像する画質を提供できる」としている。

シャッター耐久回数は検証中のため未定だが、強化を図るとしている。静穏性にも配慮し、シャッター自体の動作音を抑制したほか、ボディ構造で音圧と音質を改善したという。

GFX 50Sとレンズは防塵防滴仕様で、-10度の耐低温構造となっている。

縦位置バッテリーグリップもラインナップされる他、Xシリーズ用のクリップオンストロボも使用可能となっている。

Gマウントのレンズは6本をアナウンスしている。2017年の初めから順次リリースし、同年中に6本全てが発売される見込みとなっている。

なおGF120mmF4 R LM OIS WR Macroは、Xシリーズのレンズを含めて、同社単焦点レンズでは初めての手ブレ補正機構内蔵レンズとなる。

同社のブースでは、GFXはケース内の展示で一般の来場者は手に取ることはできない。しかし、GFXの展示の前には一目見ようと多くのユーザーが訪れていた。

ハンズオンコーナーではFUJIFILM X-T2やFUJIFILM X-Pro2などを用意。こちらも盛況だった。

デジカメ Watch,本誌:武石修

最終更新:9月22日(木)10時50分

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