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トンネル切羽の地質評価、人工知能で自動化

スマートジャパン 9/22(木) 6:10配信

 安藤ハザマは2016年9月20日、日本システムウエアと共同で、トンネル切羽における地質評価の高度化・自動化に貢献する「トンネル切羽AI自動評価システム」開発したと発表した。実際の施工現場における試験運用も開始している(図1)。

 トンネル建設では掘削時の地質状況観察を、通常1日1回、数メートル間隔で実施し、切羽観察記録として整理する。地質専門技術者などが切羽の地質状況を評価するとともに、切羽観察記録をもとに近くの地質状況を確認し、地山判定を行っていく。事前に詳細な地質情報を取得しにくいトンネル建設において、トンネル切羽時に得られるデータは、実際の設計・施工を進める上で重要な情報になる。しかし、地山判定の全てに地質専門技術者が立ち会うことは難しく、現場技術者のみで詳細な地質評価を行うことは難しいという課題があった。

 今回開発したトンネル切羽AI自動評価システムは、こうした課題に向けたシステムである。人工知能(AI)を適用した画像認識技術を活用するのが特徴で、切羽写真から岩盤の工学的特性を自動評価できる。開発にあたっては安藤ハザマが開発した地山の地質状況を定量的に評価できる坑内弾性波探査システム「トンネルフェイステスター(TFT探査)」を活用した。TFT探査で得られる切羽の弾性波速度と、その地点の切羽写真を教師データとし、CNN(Convolutional Neural Networks)という手法でAIによる機械学習を多数の切羽で実施。これにより人工知能に「学習」させた。

 実証では同システムを活用することで、地質専門技術者が経験的に把握している、新鮮岩~弱風化岩~風化岩と漸移的に変化する岩盤の外観と、弾性波速度との関係を人工知能が精度よく認識することが分かったという。現時点では掘削が完了した花崗岩を地山とする2地点のトンネルにおける機会学習を完了しており、切羽写真より弾性波速度を8割以上の認識率で特定できることを確認したとしている。

 安藤ハザマは今後、掘削中のトンネル現場での試験運用結果をもとに、支保パターン、余掘りや掘り残し部を最小限にする最適な火薬量の設定などに関し、同システムを活用した自動評価の高精度化を図る。さらに同システムを自社で施工した全トンネル現場と連動して適用できるシステムに発展させる計画で、他工種や地質以外の工学的特性の自動評価への適用に関する検討も進めていく方針だ。

最終更新:9/22(木) 6:10

スマートジャパン