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【コラム】憂鬱な象が押し寄せる=韓国(1)

中央日報日本語版 9月22日(木)10時3分配信

「なぜ象?」という方がかなりおられることだと思う。米国大統領選挙が目前となり、共和党の象徴である象の話かと思う国際ニュース愛読者もおられるだろう。だが最近現れた象はちょっと違う。グローバリゼーション(Globalization)の不都合な真実をひと目で示す憂鬱な象だ。

グラフを見てみよう。長い鼻を持ち上げている象の形だ。名前もここからついた。2012年世界銀行のエコノミストだったブランコ・ミラノヴィッチ氏が提唱した。ミラノヴィッチ氏は世界の不平等を扱った『Global Inequality: A New Approach for the Age of Globalization』をことし初めに出版して象に再び集中的に光を当てた。

1988年から2008年までどのような世界市民がお金をたくさん儲けたのだろうか。縦軸は家計の一人あたりの累積実質所得増加率、横軸は百分位数で表示したグローバル所得分布だ。1988年はベルリンの壁が崩壊する一年前で、2008年はリーマン・ブラザーズの没落で世界金融危機が襲った年だ。この20年は全世界にグローバリゼーションブームが起こっていた時期だ。90年代金泳三(キム・ヨンサム)政権が声を高めて「グローバリゼーション」をスローガンに掲げたのもこの時期の中間にあたる。

世界の無限競争による利益はどこへ行ったのだろうか。グラフから分かるように世界所得中位層の実質所得は70%ほど上昇した。主に中国の富豪を含めて開発途上国の裕福層が利益を得た。グローバルエリートグループである上位1%の富豪も同じように所得が増えた。だが、その間の区間が顕著な落ち込みを見せている。先進国の労働者などの中産層がここに該当する。彼らの所得はあまり増えなかった。グラフが示す先進国中産層の剥奪感を理解してこそ、米国大統領選挙における予想外のトランプ熱風や英国のブレグジット(欧州連合離脱)決定、難民に対する欧州の冷たい視線を理解することができる。象がトランプとブレグジット、欧州の民族主義をまねいたのだ。

最終更新:9月22日(木)10時3分

中央日報日本語版