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<テレビ試写室>「がっぱ先生!」 王道学園ドラマで見せた二階堂ふみの新境地

まんたんウェブ 9/23(金) 9:00配信

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、ドラマ初主演の二階堂ふみさんが小学校教師役を演じるスペシャルドラマ「がっぱ先生!」(日本テレビ系)だ。

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 「ヒミズ」「私の男」「オオカミ少女と黒王子」と数々の話題作で個性的なキャラクターを演じてきた二階堂さんが初のドラマ主演に選んだのは、児童書が原案となった“熱血教師もの”だった。二階堂さん演じる新米教師の村本愛子は、石川のなまりで「一生懸命」を意味する「がっぱ」先生として、さまざまな思いを抱える5年2組の児童たちと一緒に歩んでいく。

 物語のキーとなっているのが、運動会のクラス対抗大縄跳び。5年2組の生徒たちは愛子とともに優勝を目指して練習に励むが、クラスのムードメーカーだが運動が苦手な克夫のせいでなかなか記録を出せずにいた。教頭や父親からの希望もあって、愛子は克夫を「応援係」とすることを決め、克夫も他の児童たちも賛成するのだが……。本心を隠す児童たちに、克夫を傷つけたくない父親、保護者の目を気にする教頭と、愛子はさまざまな立場の間で苦悩する。

 二階堂さんは、正直なところこれまで個性的な役のイメージが強かった。どんなエキセントリックな小学校教師だろう、教室を爆弾で吹き飛ばすんじゃないかとまで思っていたが、実際見てみると、真面目だがちょっとあか抜けない“普通の”新米教師を好演している。以前ドラマ「Woman」で満島ひかりさん演じる主人公の異父姉との緊迫感のあるやり取りに鳥肌が立ったが、今回は二階堂さんの引き出しの多さに改めて驚かされた。

 個人的には、朝ドラ「とと姉ちゃん」で“葉っぱのあんちゃん”こと星野武蔵役で人気を博した坂口健太郎さんもよかった。愛子の家に転がり込む幼なじみの佐伯隆二を演じているのだが、きまじめな朝ドラの星野とは似ても似つかない能天気なフリーターだ。とはいえ、ある悲しみや愛子への不器用な愛情を秘めているという魅力的なキャラクターで、朝ドラでファンになった人も新たな側面に驚かされるのではないだろうか。

 「熱中時代」「3年B組金八先生」しかり、先生と生徒の絆を描いた正統派の学園ドラマは我々の心を動かしてきた。「ルーキーズ」「仰げば尊し」など部活をテーマにしたものはあるものの、本作のように学級担任が主人公の王道作品はずいぶん久しぶりで、逆に新鮮に感じた。運動会の団体競技が題材なので、子供だけでなく、かつて子供だった大人たちも、自分がみんなの足を引っ張ったり、誰かに引っ張られたりといった昔を思い出しながら、それぞれ違った感想を抱くだろう。王道ならではのよさを感じさせられるドラマだ。23日午後9時から放送。

最終更新:9/23(金) 13:46

まんたんウェブ