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100円ショップ「セリア」 27期連続増収のワケ

ZUU online 9/22(木) 18:40配信

デフレ時代の申し子といっても過言ではない100円均一ショップ(100円ショップ)。「安かろう悪かろう」のイメージは払しょくされ、コストパフォーマンスが高く、ヒット商品も数々生み出してきた。100円ショップを展開する企業は、経済状況の変化に対応しながら、たくましくビジネスを成長させている。

そのような中、全国に約1300店舗を運営する業界2位のセリア <2728> は、2016年3月期の決算で、純利益が前年同月比18.3%増の79億5100万円と大幅に伸び、過去最高を更新した。1987年の創業以来、27期連続で増収を積み重ねている。セリアが快進撃を続けている理由を見ていこう。

■消費者に節約志向の高まりが広がっている?

直営既存店の客数、客単価ともに前年同期比を上回った実績をみると、2%のインフレターゲットの達成が遠のくなか、デフレへの逆流と、節約志向の高まりが消費者の間に広がり、100円ショップの需要が高まっているのが読み取れる。また、躍進の背景には、2015年末から円高方向へシフトした為替レートも少なからず影響している。セリアで販売する商品の多くは国内メーカーから調達しており、直接的な影響は限定的だ。

しかし、こうしたメーカーは、原材料や商品の大部分を海外から輸入しており、円高は時間差で間接的にセリアの業績に効果をもたらすとみられる。直近の2017年3月期の第1四半期決算では、純利益が前期比37.1%増の23億6200万円と好調を維持している。円高により、売上原価率が前年同期比で0.3%減の57.5%に改善したのがポイントだ。

セリアに続く業界3位のキャンドゥ <2698> も、円高などの影響を受けて業績が回復している。2015年11月期は、消費税アップ前の駆け込み需要の反動などから純利益が前年同期比22.5%減の5億6,000万円に落ち込んだ。しかし、2016年11月期の第2四半期決算では、売上が前年同期比で6.2%アップし、純利益が同57.8%増の5億5900万円まで回復している。

■「円高進行・原油価格安定・爆買い」が追い風に

100円ショップでは、多くのプラスティック製品を取り扱っており、原材料価格の低下は業績への追い風だ。2015年3月期の業績を振り返ると、円安・材料高によるコスト上昇圧力がかかり、増益を確保したものの、純利益の伸び率は前年同期比で8.5%増にとどまっていた。

また、大部分の商品を海外製に頼る100円ショップにとって、為替レートは業績を大きく左右させる要因の1つだが、他にも商品市況で原油価格が1バレル=40ドル台の水準に落ち着いているのもプラスに作用している。

こうした状況を受けて、キャンドゥは粗利益の改善策として、プラスティック製品関連会社と価格交渉に乗り出すほか、円高のトレンドにより輸入品の仕入れ価格の見直しにも踏み切る。アベノミクスの雲行きが怪しくなり、消費者の節約志向で100円ショップの存在感が増しているのに加え、訪日外国人による売上アップにも期待がかかる。特にアジアを中心とした観光客には、日本の100円ショップは人気で、観光ルートのショッピングにも組み込まれ、「爆買い」の光景が見られる。

■独自システム「SPI」で売上UP

こうした消費者の動向を見逃すまいと、企業側の業務改善も続く。特に100円ショップでは、取扱商品が万を超えるなか、どの商品が売れ行きで、在庫状況を適切に把握することが重要になる。

そこで導入されたのが、販売時点情報管理システム・POSだ。セリアでは、独自のSPI(Seria Purchase Index)をベースにして、顧客1000人あたりで商品がいくつ売れたかをはじき出し、売れ筋の商品を適格に発注して陳列するとともに、売れ行きが伸びない商品を早期に把握して、他の商品への入れ替えなど対策に乗り出す。

他の小売業過では、売れ行きの悪い商品は、値を下げたり、抱き合わせ販売をしたりすることで、さばく可能性も残されているが、100円に値段が固定されている100円ショップでは、こうした手段がとれないため、顧客からの需要状況を正確に把握することが、売上アップに直結するのだ。

業界最大手のダイソー(非上場)の矢野博丈社長も、以前はどのような商品でも売れていた時代があったが、最近は売れる商品と売れない商品が鮮明に区別されるようになり、熟練バイヤーでもその見極めは困難で、POSシステムによる分析の重要性を指摘する。

たゆまぬ企業努力に加え、円高、資源価格の安定など外部要素が業界には後押しとなって業績を押し上げる。さらに、デフレマインドの広がりによって、消費者の100円ショップ頼みの傾向は強まっていくとみられ、当面は堅調にビジネスが推移していきそうだ。(ZUU online 編集部)

最終更新:9/22(木) 18:40

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