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イーストウッド監督「引退する気ない」インタビュー

日刊スポーツ 9月22日(木)8時3分配信

 クリント・イーストウッド監督(86)が、トム・ハンクス(60)主演の監督最新作「ハドソン川の奇跡」が24日に日本公開されるのを前に、このほど日刊スポーツなどのインタビューに応じた。

【写真】イーストウッド監督、原動力は「スシ」

 09年、航空機のエンジンが止まり、ハドソン川に不時着水して155人全員の命を救った機長がその後、乗客を危険にさらしたと疑われる実話を描いた。「自分でも不時着事故を経験したことがあるので、気持ちが分かった」。監督も陸軍の兵士だった21歳のころ、乗っていた軍用機が燃料切れなどで海に不時着水。ものすごい速度で水面をはね、着水する衝撃を、今でも覚えているという。「サリー」ことチェスリー・サレンバーガー機長が書いた原作を生かしつつ、悪夢に悩まされる機長のシーンを「映画がより興味深くなるから」と脚本に加えた。

 死と隣り合わせの恐怖体験から65年。86歳にして、ようやく生かす機会がきた。「年のことは言われなくても分かってるって」と笑いながら、「(その経験は)この映画を作る上で感情面の参考になったし、不時着のシーンではかなりいろいろと指示を出したよ」と、こだわり抜いた撮影を振り返った。

 機長役のトム・ハンクスは、配役の第1候補だった。「トムは事故当時のサリー機長と同じ年。現場ではいつも準備万全で、演技も最高だった」。機長本人にも相談していた。「『サリー役は誰がいい?』とか聞いてみたんだけど、結局私が『トム・ハンクスはどうだろう』と言ったら、『いいね』ということになった」と明かした。

 いまだに撮影ペースは年に1本。年齢を考えると驚異的だ。「情熱がなくなってしまったら、そこでおしまい。私はそこまできていない。何があるか分からないけど、今のところは引退する気はないよ。いまだにやっていて楽しい」。今は複数の候補から次の作品を選んでいる最中だ。「いくつか次のプロジェクト候補を吟味している。どれもドラマチックな物語なんだ。今年は休むけどね」。その創作意欲が枯れることはない。【聞き手=明美トスト通信員、構成=森本隆】

 ◆クリント・イーストウッド 1930年5月31日、米カリフォルニア州生まれ。64年「荒野の用心棒」、その後は「ダーティハリー」シリーズで人気俳優に。71年「恐怖のメロディ」で初監督を務めた。92年「許されざる者」でアカデミー作品賞、監督賞をダブル受賞。04年にも「ミリオンダラー・ベイビー」で両賞を獲得。

 ◆ハドソン川の奇跡 09年1月5日、ニューヨークを出発した航空機がエンジンに鳥を吸い込み、停止する事態が発生。空港着陸が不可能と判断した機長のサリー(トム・ハンクス)は、ハドソン川への不時着を決意。とっさの判断と副操縦士ジェフ(アーロン・エッカート)の的確な制御で着水に成功し、乗客乗員155人全員の命を救った。世論が英雄とたたえる中、調査委員会は乗客らを危険にさらした疑いがかけられる。

最終更新:9月22日(木)9時45分

日刊スポーツ

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