ここから本文です

女子児童も男役粋に 浜松・天竜区の浦川歌舞伎、24日公演

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月22日(木)9時18分配信

 浜松市天竜区佐久間町浦川地区に伝わる「浦川歌舞伎」の定期公演が24日午前11時、同町の旧浦川中体育館の特設舞台「旭座」で開かれる。第3幕「白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場」で男役を演じる市立浦川小6年の女子児童が、本番に向けて稽古を積み重ねている。

 白浪五人男は日本駄右衛門と弁天小僧、忠信利平、赤星十三郎、南郷力丸の5人の男盗賊が登場し、それぞれの個性を披露していく演目。約20年前から毎年、同校6年の男子児童が役を演じてきたが、児童数の減少により4年前から女の子も男役を演じるようになった。

 今回出演する女子児童は杉原妃夏さん(12)、追掛希夏さん(12)、市村彩音さん(11)、鈴木伶奈さん(12)の4人。出演が決まった当初は「低い声が出ない」などと男役を演じることに戸惑いを隠せなかったが、「6年生の良い思い出にしたい」と8月下旬から毎晩、稽古に励んできた。

 振り付け指導をする市川寿々女さん(78)=愛知県豊橋市=は「女の子でもやる気を持って稽古に臨んでくれて助かる」と目を細める。歌舞伎保存会の広野勝也会長(73)も「男役にギャップを感じているとは思うが、よく頑張ってくれている」とたたえる。

 白浪五人男の見どころは一人一人が自分の生い立ちを語る場面。鈴木さんは「せりふと振り付けを間違えずに、しっかり覚えて演技を成功させたい」と力を込める。

 6年生唯一の男子児童で、日本駄右衛門役を演じる北野谷泰梧君(12)は「男の子一人だから注目される」と重圧を感じながらも、「男の子らしい力強い演技を見てもらいたい」と意気込む。

 公演は4幕構成。白浪五人男以外に保存会会員らが「三人吉三巴白浪」「伽羅先代萩 御殿の場」「奥州安達ケ原 袖萩祭文」を披露する。入場無料。



 <メモ>浦川歌舞伎 1858年(安政5年)、浦川での公演中に病死した江戸の名歌舞伎役者・尾上栄三郎をしのぶ目的で始まり、住民らによって長年受け継がれてきた。保存会が結成された1989年以降、毎年定期公演を行い、28回目を迎える。

静岡新聞社

最終更新:9月22日(木)9時18分

@S[アットエス] by 静岡新聞