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<プリン専用醤油>ウニの味再現 ネット人気で販売1万本

毎日新聞 9月22日(木)14時11分配信

 ◇吉田一直さん(33) 試食したプリンは数百個

 プリンにしょうゆをかけるとウニの味がする--。こんな不思議な“都市伝説”の実現に取り組み、ヒット商品を生み出したのが、企画会社「YK STORES(ワイケイ・ストアーズ)」(北九州市)社長の吉田一直(かずなお)さん(33)だ。

 DVD卸会社を辞めて昨年春に起業。特に何かやりたいことがあったわけではないが、会社員としての将来に物足りなさを感じたという。

 取引先で、書籍や雑貨を扱うヴィレッジヴァンガードコーポレーション(名古屋市)に勤める知人と「何か一緒にしたいね」と話す中で「誰でも知っているしょうゆで驚かせたい」とひらめいた。

 1913(大正2)年創業の老舗しょうゆ醸造元、ごとう醤油(北九州市)に話を持ちかけ、共同開発が始まった。早速、一般的なしょうゆをプリンにかけて食べてみたが「全然合わない。論外でした」。職人とさまざまな種類のしょうゆを混ぜては味見をするという、試行錯誤を重ねた。

 課題はウニらしい磯の香りをいかに再現できるか。行き詰まりかけたが、魚介エキスを混ぜることで光明を見いだした。絞り込みを重ね「ウニかも? と思えるしょうゆを選んだ」。試食したプリンは数百個に達した。

 遊び心たっぷりの「プリン専用醤油」は80ミリリットル入り、480円。価格は高めでヴィレッジヴァンガードの通信販売限定ながら、告知するとインターネットで話題に。5月に発売すると、1000本がすぐに完売した。テレビ局が相次いで全国ネットの情報番組で取り上げ、1万本以上が売れた。

 その後も、かき氷専用、焼きサンマ専用をうたったしょうゆを相次いで開発。レトルトカレーでカレーうどんを作るだしや、IT(情報技術)企業と連携してネットで好みのレシピの焼き肉ソースを1本単位で注文できる企画など、アイデアは尽きない。

 「新しいプロジェクトを誰かと一緒に考え、互いに力を合わせて具現化するのが面白い」。進むべき道を見つけた。【石田宗久】

最終更新:9月22日(木)14時30分

毎日新聞