ここから本文です

【コラム】電気も政治も競争が答えだ=韓国

中央日報日本語版 9月22日(木)18時3分配信

ワシントン特派員として米国に到着するやいなや最も苦労したのは、借りた家を生活できる状態にすることだった。空き家に水道・ガス・電気を申請し、電話とテレビを使えるようにするのが予想以上に難しかった。中でも電気が大変だった。

電気会社側から問われる事項が多く、さまざまな料金制に関する説明が長かった。水力・火力・原子力発電のうちどの電気を希望するかも選択しなければならなかった。もっと簡単にはできないのかと尋ねると、「手続き通りに進めている」という冷たい言葉が返ってきた。1時間ほどかかった電気申請を終えた後、不足した英語力のために疲れてソファにそのまま横になった記憶がある。

かなり前の経験を突然思い出したのは、昨日、8月分の電気料金が含まれたマンションの管理費請求書を受けたからだった。累進制の電気料金が恐ろしくエアコンの使用を控えて夏を過ごした。汗に濡れたベッドで夜中に起きると、冷蔵庫から凍らせておいたミネラルウォーターのボトルを取り出し、体を冷ますことも多かった。それでも結局、料金爆弾を避けることはできなかった。ワシントンでは4部屋の大きな個人住宅に住み、夏にはエアコンをかなり使用した。しかしソウルのような料金爆弾はなかった。

独占と競争の差だ。電気の販売を独占して10兆ウォン(約9000億円)以上の利益を出す韓電とは違い、米国は競争をする。電気会社の質問が多く利用者が選択することも多いが、透明であり不満は特にない。米国だけではない。経済協力開発機構(OECD)34カ国のうち競争がない電気販売は2、3カ国だけだ。

政府・与党が住宅の電気料金に選択料金制を導入するというが、その程度のことでは来年の夏どころか、この冬の電気料金に対する反発にも耐えられないのではないだろうか。核心は韓電の閉鎖的な構造だ。累進制はきっかけにすぎず、産業用・商業用・農業用を問わず電気の消費を歪曲させてきた不合理を一気に整理しなければならないが、答えは何だろうか。もちろん競争にある。全世界がしていることだ。

問題は競争がない国会にこれができるかという点だ。累進制を改めようという動きは昨日今日のことでない。しかしいつも失敗に終わったのは「富裕層減税」の論理が大きかった。それが常に与党の党論だった。韓電の民営化は野党が党論で反対だ。需要・供給論理である市場機能に任せようとすれば、立法も党論という独占体制が解けなければいけない。ところが我々は大統領と党のオーナーばかり眺める政治だ。

電気料金だけではない。すべての国のことが与野党の党論に縛られている。国家安保も例外でない。政府が近いうちに第3のTHAAD候補地を発表するというが、星山砲台でなければ予算が伴わなければいけない。野党が反対党論を確定したり維持する瞬間、来年の予算通過は水の泡となる。国会先進化法に基づき政府予算案が本会議に上がるだろうが、党論に縛られた巨大野党がTHAAD予算を通過させる理由はない。

親朴(朴槿恵)と親盧(廬武鉉)が衝突して一歩も進めなかったのが第19代国会だ。与野党に分かれたものの排他的遺伝子だけは同じ双方が原理主義式で対抗したが、始まったばかりの第20代国会はさらに問題だ。親朴党のセヌリ党は真朴党に壁を高めた。親文(文在寅)一色に変わった民主党の指導部は野党アイデンティティー強化を誓う。相克の政治、負けん気の対決だ。北朝鮮の核実験のために会った青瓦台(チョンワデ、大統領府)党首会談で大統領は野党代表を見送りもしなかったというのが今日の政界だ。

構成員が半分も変わり新しい人物が補充されても政治がいつもこうなるのは競争がないからだ。世界最高レベルで入れ替わりが多かった国会だが、開かれれば争いになり表決をすれば歪む。

あちこちを回りながら秋夕(チュソク、中秋)の民心を聞いたのなら、その民心が政策や法案に連結されるべきだが、聞く耳と表決する手は主が違う。第1人者の一言が町中の民心より重要であるためだが、このように故障した政治を変えるには政治の寡占が先に崩れなければいけない。議員を党論から解けばよいことだ。弱者に対する強者の不当行為を防ごうと金英蘭(キム・ヨンラン)法を作った国会だ。そうしてこそ電気税が電気料金になるのではないだろうか。

チェ・サンオン論説委員

最終更新:9月22日(木)18時3分

中央日報日本語版