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“持ってない”江川ガックリ「初めてのサヨナラやと…」

スポニチアネックス 9月22日(木)7時2分配信

 ◇パ・リーグ ソフトバンク1―2日本ハム(2016年9月21日 ヤフオクD)

 歓声はため息に変わる。1点差の9回2死二、三塁。ソフトバンクの江川は谷元の外角低め131キロカットボールを芯で捉えた。外野は前進守備。中堅の頭上を越えるサヨナラ打の手応えだった。だが、それぞれの願いを乗せた打球はフェンス手前で失速。ベンチを飛びだしていた工藤監督はボウ然。同じく、内川も下唇を強くかみしめて立ち尽くした。

【写真】8回1死 中村を遊ゴロ打ち取りガッツポーズの大谷

 「芯でした。上がりすぎました。初めてのサヨナラやと思ったのに…。持ってなかった」。江川はそう肩を落とした。

 ただ、試合後、工藤監督の表情は暗くなかった。「負けはしたけど明日につながる攻撃だった」。9回無死、長谷川の左中間二塁打で無死二塁。打席に入る吉村に歩み寄り、肩を抱いて強攻を伝えた。1死三塁をつくるのは定跡。ただ「吉村君は右打ちもうまい」と攻撃を選んだ。結果的に死球で無死一、二塁とし、今宮に送らせ、1死二、三塁。高谷にもスクイズは考えず「当ててさえくれれば」と三塁の代走・城所の足を信じ、ここもまた強攻。高谷は空振り三振に倒れたものの、あと一歩まで追い詰めた。

 1番には13年4月12日のロッテ戦(ヤフオクドーム)以来3年ぶりに江川をサプライズ起用した。本多、中村晃の2、3番を固定するための措置だった。対大谷は3年ぶりで今季は筑後市のファーム施設にあるバーチャルマシンで「対戦」しただけの江川は「人生で一番速かった」と4打数無安打2三振だったが、初回1死から本多、中村晃は連続四球を選び、日本球界最速右腕攻略の入り口までたどり着いた。

 「ずっとベンチの声は絶えなかった。1試合の重要性や、大切さを分かってくれていることがうれしい」と工藤監督。天王山の初戦を落とし、13日以来8日ぶりの首位陥落だが、今日22日の最後の直接対決を制すれば、優勝マジック8が点灯。泣いても笑っても、これが最後だ。「それ(マジック)は試合が終われば分かること。試合の最中は1球に集中したい」。指揮官はそう、気持ちの整理をつけていた。(福浦 健太郎)

最終更新:9月22日(木)10時43分

スポニチアネックス