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豪栄道が同学年大関対決の稀勢の里下しかど番V前進

日刊スポーツ 9月22日(木)10時12分配信

<大相撲秋場所>◇11日目◇21日◇東京・両国国技館

 豪栄道(30=境川)が、稀勢の里(30)との“同学年”大関対決を制して無敗を守った。追い込まれた土俵際から立て直し、もろ差しから逆転の渡し込みで11連勝。同じ86年生まれ世代の雄に一矢を報い、08年夏場所の琴欧洲以来8人目のかど番優勝へ前進した。3敗目を喫した稀勢の里は、綱とりへ窮地に立たされた。新関脇高安は横綱日馬富士を破って2横綱2大関を撃破。平幕の遠藤も敗れて、1敗力士がいなくなった。

【写真】稀勢の里3敗目で綱とり絶望的 3差逆転優勝例なし

 豪栄道が唯一、同学年で超えられない男に執念で上回った。懐に飛び込んで迷わず走ると、稀勢の里の強烈な左おっつけ。バランスを崩しながら、無我夢中で左手を足に伸ばした。「取ってるときは、考えてる余裕はない。右を最後に差し勝ったのが良かった。我慢して取ることができた」。体ごと土俵下にはじき飛ばすと「集中しているから、聞こえない」という歓声が、地割れのように聞こえてきた。

 気づけば、何歩も先を行かれていた。小学5年のわんぱく相撲全国大会。横綱に輝いた豪栄道と同じく、稀勢の里も出場して初戦敗退していた。当時は野球少年だった無名選手に先を越されるなど、知るよしもなかった。埼玉栄高時代、テレビに映る同い年の活躍を目にして、刺激に変えた。高校横綱として入門した時、中卒たたき上げの稀勢の里はすでに幕内力士。「追いつく、早く幕内に上がるというのが目標だった」。新三役、大関昇進と、ずっと背中を追い続けてきた。

 14年秋場所で大関昇進して、やっと追いついた。だが昨年秋、今年名古屋と、いずれも千秋楽で敗れて負け越し。かたや3場所連続の綱とり、かたや4度目のかど番。「弱い大関」の烙印(らくいん)を返上する最大のチャンスを、逃すわけにはいかなかった。

 栃煌山、宝富士ら、幕内最多の8人がいる86年世代を引っ張る両雄だが、優勝は未知の領域。そこに今、手を掛けようとしている。1敗で追っていた2人が敗れ、2差の単独トップ。「まだ4日あるので、明日の一番に集中したい」。入門からもうすぐ12年。プロで先頭に立つその時まで、手綱は緩めない。【桑原亮】

 ◆11日目を終え後続に2差の単独トップ 最近では昨年春場所で、全勝の横綱白鵬が関脇照ノ富士に2差をつけた例がある。1差になったが千秋楽で白鵬が逃げ切りV。最近10例で白鵬8回、朝青龍と稀勢の里が各1回あるが、逆転された稀勢の里(12年夏場所)以外の9回が逃げ切りV。9回中8回が千秋楽を待たずしての優勝決定。

最終更新:9月22日(木)11時10分

日刊スポーツ